約70万分の1の確率で自然に四つ子を妊娠したブラジル南東部サンパウロに住む女性は今年5月、無事に1男3女を出産した(『Crescer 「Mãe dá à luz quadrigêmeos 約70万分の1の確率で自然に四つ子を妊娠した女性は、今年5月に無事赤ちゃんを出産し、6児の母となった。四つ子のうちの1人は、約8万分の1で発生し赤ちゃんが羊膜に包まれたまま誕生する被膜児だったことから、母親はブラジルのニュースメディア『Crescer』のインタビューで「魔法にかけられたようだった」と語っている。
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ブラジル南東部サンパウロに住む銀行員のシモーネ・デ・モライスさん(Simone de Moraes、39)は現在、4歳5か月の長女イザベラちゃん(Isabela)、1歳8か月の長男ムリロ君(Murilo)、生後3か月の四つ子の6人の子育てに追われている。
四つ子の妊娠を知った時、シモーネさんは強い不安からくるパニック障害に悩まされていたうえ、ムリロ君はまだ生後11か月で「2人の子に恵まれ十分幸せ。子宮内避妊用具(IUD)を挿入する手術を受けよう」と考えていた。
ところがシモーネさんはその頃、食欲が旺盛になり、ひどい睡魔に襲われるといった妊娠の兆候が表れ始めていたそうで、当時のことをこのように振り返る。
「夕食を2度食べると、リビングの床の上で眠ってしまうようになってね。その後、妊娠検査薬で妊娠が分かったの。息子はまだ生後11か月になったばかりで、『また子育てを一からやり直さなければならない』とショックで泣き続けた。現実を受け入れるのが本当に難しかったの。」
そうしてパニック障害を起こし、救急治療室に一人でいたシモーネさんは、医師から「四つ子を妊娠しているので、できるだけ早く専門医の診察を受けるように」とアドバイスされたものの、「私にはとても対応できない」と怯え震えた。
米フロリダ州の医療機関「ジャクソン・ヘルス・システム(Jackson Health System)」のウェブページによると、自然に四つ子を妊娠する確率は70万分の1だそうで、シモーネさんのケースでは胎盤が2つあり、一方には一卵性の三つ子が、もう一方には赤ちゃん1人が育ち始めていた。そのためシモーネさんは大事をとって休職し、妊娠は順調だった。
それでも妊娠後期になると疲れやすくなり、「お腹の重さだけで7キロになり大変だったわ。妊娠中に体重が14キロ増えたけど、最後の2、3か月で減り始めてね。妊娠34週の時に、三つ子の女児と、男児1人が元気に誕生したの」と語り、こう続けた。
「分娩室は医師らスタッフが大勢いて、子供たちにはそれぞれ小児科医と看護師が1人ずつ付いたの。出産はまるで魔法にかかったようだったわ!」
実は女児の1人が卵膜と羊水に包まれたまま誕生する“被膜児”で、シモーネさんは「分娩室は被膜児が出てきた瞬間、感動に包まれた」と明かす。被膜児は「幸せの帽子を被った子供」を意味する“幸帽児(こうぼうじ)”とも呼ばれ、幸運の象徴と考えられており、当時の写真は写真家ナタリア・イートさん(Natalia Eidt)が撮影し、SNSで拡散した。
なお4人の子供たちは新生児集中治療室にしばらく入院後、まず2人が退院し、その6日後に2姉妹が帰宅しており、シモーネさんは「6人の子に囲まれた新しい生活に少しずつ慣れてきた」と明かすと、現在の胸のうちをこう吐露した。
「はじめは『どうして私たちが四つ子を?』と思っていたけど、今では神様が私たちを選んでくれたことに感謝しているわ。今は全てにおいて恵まれていると感じるの!」
ちなみに出産当時の被膜児の写真は、羊水の中で赤ちゃんが体を丸めるようにして眠っている1枚と、真珠のような卵膜と黄色がかった羊水の中に赤ちゃんの足の裏だけがはっきりと見て取れる1枚で、後者は国際写真フォトコンテストの「アウトスタンディング・マタニティ賞」を受賞した。そしてSNSには、「これまでに見た中でも最高の1枚」「これはすごい」「オーマイガー。これは賞に値する作品。おめでとう」「神秘的」「なんて素晴らしいのだろう」といったコメントが寄せられている。
被膜児の写真はこれまでにも何度か話題となっており、ブラジルのゴイアス州では2023年、
卵膜に包まれて誕生した赤ちゃんが医師にお腹をくすぐられて目を覚ます姿が捉えられていた 。
画像は『Crescer 「Mãe dá à luz quadrigêmeos, e um dos bebês surpreende com nascimento empelicado: “Foi mágico”」(Foto: Juliana Pestana)(Foto: Natalia Eidt)(Foto: Arquivo Pessoal)』『Outstanding Maternity Award Instagram「Season 32」』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)