フィギュアスケート世界ジュニア女王・島田麻央の強さを支える貪欲さ 新プログラムに「ワクワク」

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2024年08月18日 10:20  webスポルティーバ

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【今季は和のプログラムに挑戦】

 世界ジュニア選手権2連覇、ジュニアグランプリ(GP)ファイナル2連覇、ユース五輪優勝、シニアの全日本選手権でも2年連続表彰台と、桁違いの結果を残してきた15歳の島田麻央。そんな最強ジュニアスケーターは今季、フリースケーティングで新しいことに挑戦する。

 7月に行なわれたジュニア合宿で島田が取り組んでいたのは、日本語の歌詞が入った『窓から見える』という曲を使ったフリーのプログラム。この曲は「日本らしい曲をやってみたい」という島田のリクエストを受けた振付師のローリー・ニコル氏が探した曲だという。

 昨年夏から島田は「和の曲で、着物っぽい衣装を着たプログラムをやってみたい」と話していたが、今回提案されたのは映画音楽のような壮大な美しい曲に日本語の歌詞。島田が持っていたイメージとは少し違ったようだが、美しく繊細でいて力強さもある楽曲はまさに島田のスケートのよう。

 最初、ニコル氏からこの曲を提案された時に島田は「曲に強弱があるのでいいな、と思いました。それに去年と全然違うような曲なので、振り付けをする前からどんな振り付けになるんだろうとワクワクしていました」と話す。

 また、ニコル氏の選曲についても「ローリー先生はいつも私が聞いたことがなかったり、使っている人がいない曲を選曲してくださるので、本当にたくさんの曲を聞いて、そのなかから見つけて選んでくださっているんだなと思っています」と驚きと尊敬がこもった表情を見せた。

【強さの裏側に謙虚さと生真面目さ】

 今回のジュニア合宿では全体の氷上練習の講師に高橋大輔が招かれていたが、高橋は個人練習の時間も熱心にスケーターたちの演技指導を行なった。

 島田も今季のプログラムへのアドバイスを受けていたのだが、高橋から顔の角度や腕の使い方のお手本を見せてもらうたびにどんどん動きが鮮やかに変化していく。

「自分がやるのと高橋先生がやるのでは、同じ振り付けでもまったく違う」と感じ、吸収していく素直さも島田の長所のうちのひとつ。輝かしい成績におごることなく謙虚に、そして貪欲に学ぶ姿勢が彼女の強さだと言えるだろう。

 その姿勢は氷上だけでなく、陸上のトレーニングでも見てとれる。講師の話をよく聞き、黙々と取り組む生真面目さを彼女は持っている。トリプルアクセルや4回転ジャンプという大技だけでなく、スケーティングやステップ、スピンという地味な基礎練習が必要な部分の質が見るたびに進化していることを見ても、島田がいかにコツコツと努力を重ねているかがわかる。

 8月上旬に行なわれた木下トロフィーではショートプログラム(SP)で70.88というハイスコアを叩き出し、フリーでは4回転トーループが珍しく2回転になってしまったものの、それ以降は安定したハイレベルな演技を見せた。

 昨年夏は4回転トーループでかなり苦しんでいたが、今年は「いい感じで跳べている」と言う。8月29日から行なわれるジュニアGP第1戦リガ杯に出場予定の島田。日本語の歌詞を海外の人にも演技で伝えたいという挑戦にも注目したい。

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