【インタビュー】台湾チア界に舞い降りた日本人チア 「Uni-Girls」ChihiroとNozomiに聞く「台湾チアに魅了される」理由

0

2024年08月18日 12:13  ねとらぼ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ねとらぼ

2024シーズンから「Uni-Girls」に所属したNozomi(希美)さん(左)とChihiro(千紘)さん(右)

 球場を盛り上げ、選手とファンをつなぐチアリーダー。中でも、台湾プロ野球(CPBL)のチアリーダーは数年来、ネットを介して日本のファンからも熱い視線が向けられています。


【画像】球場で輝きを放つNozomiとChihiroを見る


 2024年の台湾チア界は、6球団で見ると海外籍のチアリーダーが11人所属。うち日本人は3人で、3人とも2024年がデビューとなります。今回は、統一ライオンズのチアチーム「Uni-Girls(ユニガールズ)」所属のChihiroさんとNozomiさんのインタビューをお届け。埼玉西武ライオンズの公式パフォーマンスチーム「ブルーレジェンズ」から台湾チアの世界へと飛び込んだ2人に迫ります。


●チアを目指したきっかけは対照的な2人


―― 台湾で頑張る日本人チアを日本の皆さんにより知ってもらいたいと思い取材を企画しました。楽天ガールズのKAHOさんにも先日取材させていただいていて、これが第2弾です。よろしくお願いします。最初に、チアリーダーを目指したきっかけを教えてください。


Nozomi 私は「テレビをつけたら野球中継」な家で生まれ育ち、野球が身近な存在でした。あるとき、東京ドームに観戦に連れて行ってもらって、チアの方たちがグラウンドで踊る姿を見て、「この衣装を着て私も踊りたい!」と母にお願いしたのが始まりで………。


―― 幼いころから。


Nozomi 4、5歳のころです。それがきっかけでダンススクールに入れてもらいました。チアになりたくてダンスを始めたといってもよいくらいで、小さいころからチアになるのが夢でした。


―― Chihiroさんがチアになられたきっかけは?


Chihiro 対照的ですけど、私は小さい頃、野球はあまり見ていなくて、チアの存在も知りませんでした。友人に「チアやってみたら」と勧めてもらい、オーディションを受けたのがきっかけです。


●日本のチアをやめて台湾のチアを目指した理由


―― 日本でのチアの経歴ですが、Nozomiさんは読売巨人軍公式マスコットガール「ヴィーナス」にも所属されていましたよね。


Nozomi はい。私は2021年がヴィーナス所属、2022年と2023年が埼玉西武ライオンズの「ブルーレジェンズ」所属、計3年間です。


Chihiro 私はライオンズだけ。2022年に入って、2023年までの2年間です。


―― 日本のチアをやめて台湾のチアを目指した理由は?


Nozomi 2023年8月に、西武ライオンズと統一ライオンズのコラボで台湾に来たのですが、その時は観光する時間がなく、10月にちいちゃん(Chihiroさん)と2人で台南を訪れました。


 せっかくだから野球も見ようということになり、台南棒球場で統一の試合を観戦しました。ファンの方と同じ目線で台湾野球を見るのはそのときが初で、とにかく熱狂的な応援スタイルに魅了されました。


 チアが先頭に立って、ファンの皆さんと球場を盛りあげる姿やファンの熱気を感じながら、小さいころから野球が大好きだった私がやりたかったことはこういったことだと強く実感しました。だから、台湾に来て、台湾チアになって、これをやってみたいなと思ったんです。


Chihiro 私もきっかけは一緒です。のんちゃん(Nozomiさん)と客席から応援を体験して、すごく魅力を感じました。私もここに入ることができるのならぜひ入りたいと思いました。


―― 加入されて3カ月ほど、統一のチアとして既に何試合も応援されていますが、日本のチアの文化と台湾のそれで違いは感じますか?


Nozomi 強く感じたのは“自由さ”です。ネガティブな意味ではなく、衣装やダンスパフォーマンスもメンバーたちが主体となって考えるなど、個性を尊重/強調した環境だと感じます。


Chihiro 私は、ファンの方との距離感にも違いを感じました。


 台湾では、踊っていない間もお客さんと同じ客席に座って試合を見ているので、そこで自然と会話するケースがあります。日本ではあり得ないことだったので最初はびっくりしたんですけど、一緒になって踊って応援するのがすごく楽しいです。


―― 踊っていて楽しい応援曲、または踊りがすごくハードな曲は?


Nozomi 踊っていて楽しいのはやはりりチャンテ(チャンステーマ)の統一尚勇。みんなで肩を組んで左右に揺れるのがとにかく楽しいです。踊っていて大変なのは、張翔選手の曲。踊り自体は簡単ですが、手を羽のように広げてステップを踏む動きがすごくハードでした。


Chihiro 同じだ(笑)。私は、局間曲(イニング間を指す言葉)の8回の王者無敵。あれは腕が疲れます。


●チアとしての長所


―― チアリーダーとして、ご自身が考えるセールスポイント、長所を教えてください。


Chihiro 笑顔です。日本にいたころから言っているかも(笑)。


Nozomi 笑顔もですし、ダンスも力強くというのは日本にいたころから意識してやっていました。個人的にはアクロバット(バク転など)を練習しているので、その辺りも注目してもらえればと思います。


―― お互いの良さを他己紹介の形でお聞きしてもよいですか?


Nozomi ちーちゃんの笑顔はみんなをとりこにする笑顔で、ファンの皆さんもこの笑顔を目の当たりにしたら「来てよかった」と感じていただけると思います。私がひそかに好きなのはちーちゃんの声。自己紹介するときの声がかわいくて個人的に癒されているので、聞いてほしいです。


Chihiro 声が好きっていうの、初めて聞いた(笑)。


 のんちゃんは、真面目なところが尊敬できます。あとは愛嬌(あいきょう)がすごい! 誰よりも元気いっぱいで踊っています。


●台湾でチアとなって起こったさまざまな変化


―― 日本では経験がなくて新鮮だったお仕事はありますか?


Nozomi 私はUni-girlsとして、台湾のゲーム広告のお仕事をさせていただきました。Uni-girlsだけでなく、5球団からそれぞれ5人、合計25人のチアが参加したのですが、台湾人、韓国人、私たち日本人とさまざまな国の方が集まって仕事をするのが新鮮で楽しかったです。


Chihiro 私は、球団のイベントグッズのモデルをさせていただきました。選手の方と一緒に撮影するのは日本ではないことなので貴重な体験でした。また、今回のようにメディアの取材を受けることも増えましたね。


Nozomi 3月10日に2024シーズンのUni-Girlsのお披露目記者会見が行われたのですが、マイクやカメラがたくさん向けられて、何が始まっているんだろうっていうぐらい。


Chihiro 今までテレビで見ていたような光景が自分の目の前に広がっていて。圧倒されました。


―― 少し話題を変えますが、好きな選手はいますか?


Nozomi 最近応援したいと思ったのが、10番の許哲晏選手。この間、初ホームランを打って、その記念セレモニーにご家族がいらっしゃったのですが、お母さまの姿が見えた瞬間に、許哲晏選手が号泣されたのを見て、私も一緒に感動しました。


Chihiro 私は一緒にグッズ撮影した林佳緯、邱智呈、張皓?の3選手。一緒にいる時間も長かったですし、注目しています。


●海外で活動するということ


―― お2人のInstagramを見ていると、Chihiroさんは包子さん、NozomiさんはMinaさんとよく一緒にいるイメージがあります。


Nozomi メンバーみんなと仲良いですが、特にその2人は面倒を見てくれるお姉さんたちという感じです。Minaちゃんは日常会話は問題ないぐらい日本語上手ですし。


 今は台南に住んでいますが、台南にいる時は台南に住んでいるメンバー、それこそ包子などと一緒によくお出かけしたりしますね。最近好きなのはカフェに行くこと。台南に限らず台湾はおしゃれなカフェがいっぱいあるので、カフェに行ってちょっと勉強したりするのも好きです。


Chihiro 包子は中国語をメインに話しますが、意思の疎通は取れますね、顔とジェスチャで(笑)。


―― ちなみに、日本語を話すメンバーの方で、どなたが1番日本語が上手なのでしょうか?


2人 AIRU(アイル)ちゃん。


―― 福岡ソフトバンクホークスでも活躍した李杜軒さんを兄に持つアイルさん。日本の岡山県共生高校に留学経験もあると聞きました。


Chihiro AIRUちゃんはコミュニケーションを取る上で、すごく良くしてくれます。打ち合わせのときに中国語で言われたことを日本語で教えてくれたり。連絡事項がちゃんと分かっているか不安なので、助かります。


―― 日本のファンが足を運ぶこともあるかと思いますが、そんな方に野球だけでなく、台南でお勧めしたいお店などはありますか?


Chihiro マンゴーの産地の玉井農園(編注:台南の玉井は台湾マンゴーの名産地として有名)!


Nozomi Uni-girlsのメンバーに聞いても台湾のマンゴーはおいしくて安い、中でも台南のマンゴーが1番おいしいと。台南に来たらぜひマンゴーを食べてほしいです。


●今後の思い


―― 今後、Uni-girlsとしてチャレンジしたいことなどあれば教えてください。


Nozomi 2023年10月に台湾チアになりたいと思ってから、たくさんのことが猛スピードで決まって、将来を考えきれていないというのが正直なところですが、NPBのチア経験がある日本人2人で台湾に来たので、将来的には日本と台湾プロ野球の架け橋になれるような仕事ができたらいいなと漠然と考えています。


Chihiro 台湾のチアの方はバラエティー番組やCMに出演されたりもしているので、もしチャンスがあれば、そういったものに出演できればすごく良い経験になるように思います。台湾で中国語を学べたので、その中国語を活用したお仕事ができればいいなと。


―― ありがとうございます。日本のファンにメッセージをお願いします。


Nozomi 日本から台湾に来て、日本人チアとして台湾のプロ野球をもっともっと盛り上げようと頑張っているので、ぜひ一度遊びに来てほしいです。台湾野球の応援スタイルや球場の雰囲気は、日本とは違う独特なものなので、台南の球場に来て体験していただきたいです。私たちと一緒に統一ライオンズを応援しましょう。


Chihiro まずは、私たちが台湾に渡ってからも、応援していただいている日本のファンの皆さま、ありがとうございます。台湾の方たちは温かくてとても良い国です。台湾に訪れた際には、台南の球場に立ち寄って、私たちに会いに来てください。台湾は、おいしい食べ物がいっぱいあります。来る際はお勧めするので、聞いてくださいね! これからも応援よろしくお願いします。


    ニュース設定