9月10日、FIA F2に参戦するARTグランプリは、9月13〜15日にアゼルバイジャンで行われる第12戦バクーを含む今季終盤3戦において、ウイリアムズ育成のルーク・ブラウニングを起用すると明らかにした。資金的理由により第11戦モンツァを最後にFIA F2を離れたザク・オサリバンの代わりとなる。
ブラウニングはイギリス出身の22歳。2020年のイギリスF4でチャンピオンとなると、2022年にはGB3(旧:BRDCイギリスF3)でタイトルを獲得。また、同年のアストンマーティン・オートスポーツBRDCアワードを受賞し、20万ポンド(約3600万円)の賞金を獲得したほか、アストンマーティンの2021年型F1マシンAMR21で走る機会を得て、2023年10月にシルバーストンでAMR21のステアリングを握った。
ブラウニングは2023年4月よりウイリアムズF1の若手ドライバー育成プログラムであるウイリアムズ・レーシング・ドライバー・アカデミーに加入し、FIA F3に参戦。2023年はシリーズ15位、2024年は2勝を挙げてシリーズ3位という成績を残した。また、2023年の第70回マカオグランプリで行われたFIA F3ワールドカップにて予選、予選レース、決勝レースを完全制覇する活躍を見せていた。
なお、ブラウニングのFIA F2昇格について、ブラウニングとオサリバンがともに所属するウイリアムズ・レーシング・ドライバー・アカデミーのリリースでは「FIA F3でシリーズ3位に入ったことを受けて」としており、オサリバンが自身のSNSで言及した資金的問題についての記述はない。
ただ、「オサリバンはARTグランプリから今季のFIA F2には参戦しないが、ウイリアムズ・レーシング・ドライバー・アカデミーの一員として活動を続け、チームは彼の次のステップをサポートする」としている。
ブラウニングは、今季FIA F2の残る3戦、第12戦バクー、第13戦ルサイル、第14戦/最終戦ヤス・マリーナでARTグランプリのマシンのステアリングを握る。
なお第12戦バクーでは、FIA F3シリーズ2位のガブリエレ・ミニがプレマ・レーシングから、FIA F3シリーズ5位のクリスチャン・マンセルがトライデントから、それぞれFIA F2デビューを果たす。3名ともFIA F3で最終戦までタイトル争いを演じた実力者なだけに、第12戦バクーでの走りには注目が集まるだろう。