日本で唯一の国際映画製作者連盟(FIAPF)公認コンペティティブ長編映画祭である「第37回東京国際映画祭」(10月28日〜11月6日)のオープニング作品がとクロージング作品が発表された。
【画像】クロージング作品は映画『マルチェロ・ミオ』 今年のオープニング作品は『十一人の賊軍』(11月1日公開、監督:白石和彌)。『日本侠客伝』(1964〜71年)『仁義なき戦い』(73〜74年)シリーズなどを手がけた笠原和夫(1927-2002年)によるプロットを映画化。山田孝之と仲野太賀がダブル主演を務め、白石監督が圧巻の迫力と疾走感で撮りきった。北米やドイツ語圏でも配給が決まっており、世界に打って出る新たなジャパニーズ・エンタ―テインメント大作で、国際映画祭の開幕を飾る。
白石監督は「東京国際映画祭のオープニングでの上映とのこと、とても興奮しています。『十一人の賊軍』にとって最高のスタートを飾ることが出来ました。ありがとうございます。ぜひとも映画祭のスクリーンで最初の目撃者になってください。会場で皆さんにお会い出来ること楽しみにしています」とコメント。
クロージング作品は『マルチェロ・ミオ』(監督:クリストフ・オノレ)に決定。今年の「第77回カンヌ国際映画祭」コンペティション部門に選出された作品で、今年の東京国際映画祭の審査委員の1人でもあるフランスの俳優キアラ・マストロヤンニが実の父であるマルチェロ・マストロヤンニのようになってしまうという設定のフレンチコメディ。実の母であるカトリーヌ・ドヌーヴと共演したことでも話題となった作品。
プログラミング・ディレクターの市山尚三氏は、『十一人の賊軍』について、「かつて東映が得意としていた集団時代劇の伝統を引き継ぎ、アクション演出、美術セットなど、あらゆる点において今の日本映画の最高峰のプロダクションバリューを有する作品です。歴史の中で切り捨てられていった人々にスポットを当てたという意味でも重要だと思います。この作品を東京国際映画祭から世界に発信することをうれしく思います」。
また、『マルチェロ・ミオ』については、「マルチェロ・マストロヤンニへのオマージュであると同時に、主演のキアラ・マストロヤンニをはじめ、多くのフランスの俳優たちが実名で登場し、スターたちの実像とフィクションの境界を曖昧(あいまい)にさせる実験性を持ったユニークな作品です。マルチェロ・マストロヤンニ生誕100年の今年の映画祭を締めくくるに相応しい作品です」と、選定理由を述べている。
「第37回東京国際映画祭」は、都内の日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。10月28日のオープニングセレモニーは昨年同様東京宝塚劇場で、クロージングセレモニーはTOHOシネマズ日比谷(スクリーン12)で実施する。会期中の上映は、丸の内 TOEI、丸の内ピカデリー、TOHOシネマズ 日比谷、有楽町よみうりホールの大型劇場に加え、角川シネマ有楽町、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ有楽町、TOHOシネマズ シャンテでも行う。