寄付金総額が10億円を突破した金融業界の大規模チャリティイベント「FITチャリティ・ラン」が20周年

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2024年09月17日 17:21  サーチナ

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サーチナ

金融サービスおよび関連事業を展開する企業の社員とその家族・知人が参加する「FITテャリティ・ラン2024」が9月16日、東京・国立競技場で開催された。(写真は、「FITチャリティ・ラン2024」の様子)
 金融サービスおよび関連事業を展開する企業の社員とその家族・知人が参加する「FITテャリティ・ラン2024」が9月16日、東京・国立競技場で開催された。2004年に起きたスマトラ沖大地震の復興支援として始まった「FITテャリティ・ラン」は今年、発足から20周年を迎えた。昨年までの参加者総数は9万5822名となり、寄付金総額は10億円を超えた。今年は参加企業が103社、参加者約5000人にのぼる規模となり、寄付金額は5578万円超を集めた。
 
 「FIT」は、「Financial Industry in Tokyo」の略で、東京を中心とした関東圏にある金融サービスおよび関連事業を展開する企業の従業員がボランティアとして運営し、年1回、大規模なチャリティランニングイベントを開催している。第1回は2005年9月4日に皇居周辺において開催され、参加企業は40社超、参加者は約1500人、このイベントによる寄付金は約2200万円になった。この成功が大きな反響となり継続開催し、第3回の寄付金総額が6550万円となった。いまでは毎年開催され、毎回5000万円を超える寄付金を集めるイベントになった。

 この寄付金は、協賛企業から各社50万円以上、ランニングイベントへの参加費として参加者1人あたり6000円の参加費を集計したもの。イベントの運営は約450名のボランティアとスポンサー企業、協力企業からの拠出品などで賄われ、毎回、収益の約90%が寄付金として実行委員会と協賛企業が事前に選定した寄付先に贈呈されている。寄付金総額のピークは2013年開催の7230万円。コロナ禍で2020年と2021年はオンライン開催となったことで寄付金額は3500万円程度に一時的に落ち込んだものの、2022年以降は再びリアルイベントを復活させ5000万円を超える寄付を集めるようになった。また、リアルイベントとオンラインのハイブリッド開催が定着し、現在では東京を中心とした関東圏だけではなく、オンラインで全国や世界各国から参加してもらえるイベントになっている。

 寄付先は、地域に根ざした社会的に意義ある活動をしているものの、認知度等の問題により十分な活動資金を確保できていない非営利団体を一つの選定基準としている。金融サービス業に従事する関係者のリソースを活用し、たとえば、反社会的活動につながっていないかなど、各団体の活動実績も踏まえてデューディリジェンス(対象先の精密検査)を多面的に実施して選定している。また、ランニングイベントとして楽しむのみならず、参加者が寄付先を知り、地域への支援活動団体を知るきっかけにもなっているという。また、FITの寄付先の中には、寄付金の贈呈をきっかけに成長し、以降に国などの支援を受けられるようになりさらに成長を遂げた寄付先も多い。

 「FITチャリティ・ラン2024」の共同実行委員長の仲矢裕氏(三菱UFJフィナンシャル・グループ)は、「コロナ禍で開催が危ぶまれた時も乗り越えて20周年を迎えることができました。多くの協賛企業、ボランティア、協力企業の力で、毎回5000万円を超える寄付金を集めるイベントを継続できているということは貴重なことで、この経験を絶やさぬよう、次の10年、20年につないでいくことが大事だと思っています。5000人の参加者が1万人になり、様々な団体が支援できるようになるよう、一層がんばっていきたい」と語った。

 また、同じく共同実行委員長の表寛子氏(ピムコジャパンリミテッド)は、「社会課題は多様化しており、常に新しい社会課題が生まれています。既存の問題も継続的な支援が必要です。次の20年も、FIT自体が規模を拡大しつ、それに合わせて進化しながら、より一層の支援を続けられる体制を築いていきたいと思います。また、FITが、参加者が社会課題を知り、支援に参加するきっかけとなればうれしいです」と継続と拡大の重要性を強調していた。(写真は、「FITチャリティ・ラン2024」の様子)

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