9月29日、三重県の鈴鹿サーキットでENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第5戦『SUZUKA S耐』の決勝が行われ、ST-Xクラスの31号車DENSO LEXUS RC F GT3(永井宏明/小高一斗/小山美姫/嵯峨宏紀)がポール・トゥ・ウインで今季初の総合優勝を飾った。
DENSO LEXUSは小山に代わった最終スティントでも安定したペースをみせてトップを快走。5時間127周を走りきって今季初優勝のトップチェッカーを受けた。DENSO LEXUS RC F GT3と永井/小高/嵯峨としては昨年の第5戦もてぎ以来、女性ドライバーの小山にとっては自身初のST-Xクラス優勝となり、シリーズでは1993年のN1耐久時代に佐藤久実が筑波12時間を制して以来、1998年からのスーパー耐久では史上初の最高峰クラス女性ドライバー総合優勝を果たした。
GT4車両が争うST-Zクラスはスタート直後にTECHNO FIRST R8 LMS GT4がトップに立つも、8番手から追い上げてきた25号車raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4と激しいトップ争いを展開。その背後には富士24時間ぶりの参戦となった2W Yamaguchi GR Supra GT4 EVOの卜部和久がクラス12番手から猛追するも、スタート違反で痛恨のドライブスルーペナルティを科されてしまい後退。
終盤には4番手から虎視眈々と上位進出を狙っていたEBI GROUP Cayman GT4 RS CSがクラストップに立つと、TECHNO FIRST R8を寄せ付けず今季初表彰台のクラス優勝を飾った。TECHNO FIRST R8は2位、25号車raffinee Zが3位に続き、ポールスタートから上位を争っていた埼玉 GB GR Supra GT4はピット作業違反のペナルティで4位となっている。
ST-1クラスは、唯一の参戦となるシンティアム アップル KTMが終始快走をみせ総合9位でフィニッシュ。ST-2クラスは序盤から首位を走行していたSPOON リジカラ CIVICが、残り1時間30分で右フロントバンパーにダメージを負い緊急ピットインすることになり、KTMS GR YARISが今季3勝目のクラス優勝を獲得した。OHLINS CIVIC NATSが終盤のバトルを制し2位、ENDLESS GRヤリスが3位に続いた。
ST-3クラスはクラスポールスタートのTRACYSPORTS with DELTA RC350 TWSがAドライバーハンデで後退するも、僚友のエアバスター WINMAX RC350 TWSが最終的にクラス優勝を飾り、TRACYSPORTS with DELTA RC350も2位でワン・ツーフィニッシュを決めている。
ST-5クラスは、予選で上位を独占したマツダ・ロードスター勢が序盤のウエット路面で後退すると、代わってFF勢が上位に上がってくる。しかし長丁場レースを制したのはodula TONE 制動屋 ROADSTERとなり、2位にDXLアラゴスタNOPRO☆MAZDA2、3位に村上モータースMAZDAロードスターが続いた。
開発車両が参戦するST-Qクラスは最上位のGR Supra Racing Conceptが速さをみせて総合7位完走。Honda CIVIC TYPE R CNF-R、SUBARU HighPerformanceX Future Concept、MAZDA SPIRIT RACINGのマツダ3とロードスター、ORC ROOKIE GR Yaris DAT conceptも完走を果たしたが、ORC ROOKIE GR86 CNF conceptはスタート前に燃料系トラブルに見舞われ、修復作業が行われたものの出走は叶わなかった。