有働由美子、正直に伝える「覚悟」 テレ朝で新番組スタート

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2024年10月06日 08:00  ORICON NEWS

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有働由美子アナウンサー(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.
 『あさイチ』(NHK)や『news zero』(日本テレビ)など長年、ニュース&情報ワイドの第一線で活躍してきた有働由美子(55)がメーンキャスターを務める新番組『有働タイムズ』がテレビ朝日系で6日にスタートする(毎週日曜 後8:56〜10:15※初回は90分拡大スペシャル〜10:30)。「覚悟を持って、臆せずに自分の考えも発信していきたい」と意気込みを語った。

【画像】アメリカ・グランドサークルのロケ写真

 新番組は、“日曜のよる、視聴者をもてなす”というコンセプトで、国内外の政治や経済、スポーツ、芸能、天気、大型特集を届ける新しいニュース・情報番組。有働にとってテレビ朝日で初の冠レギュラー番組となる。

 「テレビ朝日といえば、私にとっては久米宏さんの『ニュースステーション』や現在は大越健介さん(元NHK)、その前は古舘伊知郎さんがキャスターを務めている『報道ステーション』のイメージが強いです。学生の頃、久米さんの『ニュースステーション』を見て、初めてニュース番組を見ることがかっこいいと思った記憶があります。そんなテレビ朝日さんから、新しい創造的なニュース・情報番組を一緒に作っていこうとお誘いいただき、大変ありがたく思っています。視聴者の皆さんに『日曜夜にこんな番組ほしかった』と思っていただけるような番組にしたい」

 有働は、1991年4月にNHK入局。『NHKニュースおはよう日本』『サンデースポーツ』『NHKニュース10』『あさイチ』などの看板番組を担当し、ニューヨーク特派員や『紅白歌合戦』の司会も務めた。2018年3月にNHKを退局し、フリーに転身。同年10月から民放での初レギュラー番組となる『news zero』のメーンキャスターに就任した。

 「NHKを退局した時は、27年間ずっと部屋の中にいて、初めて外に出たような感覚でした。同じ業界だから大丈夫だろうと思っていましたが、実際には考え方や仕事の仕方などが違っていて、最初は戸惑い、慣れるまでに時間がかかりました。自分がNHKにどれほど染まっていたかを実感しました。今となってはNHK時代が遠い昔のことのように感じます」

 『news zero』では、改元、コロナ禍、東京五輪、戦地となったウクライナでの取材など、24年3月に卒業するまでの5年半、全力で駆け抜けてきた。衝撃的だったのは番組からの卒業が発表された日の生放送(23年12月14日)に、左目のまわりに絆創膏(ばんそうこう)を貼った痛々しい姿で出演したこと。この時は二日酔いで階段を踏み外してしまったと説明していたが、「だいぶボロボロになっていました」と打ち明ける。「新しい環境に飛び込んで、私が番組を背負います、と肩ひじを張っていた感じがずっとあったと思います。だんだんしんどくなってきて、500円玉ハゲができ、眠れなくなるほどでした」

「しばらく休もうと思っていた」そうだが、有働のような逸材を業界が放っておかないのもこれまた当然の話。新番組『有働タイムズ』は、番組名に名前が入っていることからも、彼女の積み重ねてきたキャリアとパーソナリティーに対する期待の大きさがうかがえるが、「肩の力を抜いて取り組めています」と気負ったところはなさそうだ。

 「新番組が私に与えてくれたのは、私自身がリアルに感じたことを発言して、視聴者に共感してもらえたり、逆にひどく叩かれたりするポジション。なので、自分が感じるままに、どう思われるかよりも、自分が本当に思っていることを伝えたいと思っています。若い頃は叩かれることが怖かったですが、もう好感度にこだわる年でもないのかなって(笑)。自分がこれまで生きてきたこと、考えてきたこと、日常生活の中で見たり聞いたりして思ったことを正直に伝えたい。年齢を重ねて、ようやくその覚悟ができたのかもしれません。覚悟を持って、臆せずに放送に臨みたい」

 記念すべき初回には、大型特集“ナスDアドベンチャー”を放送。有働と“破天荒ナスD”として知られるテレビ朝日の友寄隆英ディレクターが初タッグを組み、絶景、奇景に満ちたアメリカ・グランドサークルを取材した。直径460キロの巨大な円内にグランドキャニオンを含む国立公園や国立モニュメントが点在している、グランドサークル。何億年、いや何十億年もかけて大自然が作りだしたダイナミックな芸術と、現在も浸食により形を変え続けている神秘、地球の息吹を目の当たりにしてきた。

 「ハードなスケジュールでしたが、とても勉強になりました。ナスDから、徹底して『感じたことだけを言って』と求められました。テレビ的にこれを言ったらまとまるかな、と置きに行こうとすると、『それいらない』と。歯に衣着せぬ方なので、途中で言い合いになったこともありましたが(笑)、この仕事を33年やってきた中で、いつの間にか着込んでいた鎧をすべて剥がされたような感覚になりました。今この瞬間を楽しむ、視聴者にも楽しんでもらうというテレビの原点を思い出させてもらった気がします」

 インタビュー中、有働が繰り返し口にしたのが「覚悟」。「若い世代に何かを考えてもらえるきっかけになるなら、踏み台にも壁打ちの壁にもなれたらと思っています」という境地にまで及んでいる。

 そして、これからを生きる「覚悟」も。「NHKで定年まで勤め上げるつもりだったのに、放送の現場から離れるくらいなら…と辞めて。フリーになったら週5日のニュース番組のキャスターをやることになって。しばらく休もうと思っていたら、新しいニュース・情報番組のお話をいただいて。1年前には予想もしなかったことが日々起きていますし、これから先も何が起こるかわからない。覚悟を持って生きて、仕事をしていかないと、将来への不安は払拭できない気がするんです」と、正直に話してくれた。

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