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9月に西宮労働基準監督署から是正勧告を受けた宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)は8日、昨年秋の団員急死以降、組織風土や労働環境の改善のため進めている「改革の取り組み」について、進捗(しんちょく)状況を報告した。
劇団では、改革の取り組みに加え「(今年4月から)一部手当の増額やベースアップ等を実施しておりますが、劇団員が安心してより良い舞台づくりに専念できるよう、さらなる労働環境の改善に努めてまいります」と、待遇改善に努める現況を伝えた。
その上で、西宮労基署から是正勧告書を受領したことに「このことを重く受け止め、監督官庁や専門家のご指導も頂戴しながら、ご指摘事項に適切に対処するとともに、引き続き宝塚歌劇団の改革に全力で取り組んでまいります」とした。
同劇団では、昨年9月末に宙組団員が急死し、宙組公演のすべてが停止。劇団は昨秋以降、組織風土の改革を進めるとともに、遺族側と協議を重ね、今年3月に、親会社阪急阪神ホールディングス(HD)が、上級生らによる団員へのハラスメントを認め、遺族側と合意書を締結し謝罪。6月に宙組公演を再開させた。
改革の取り組みについては、団員急死をめぐって明らかになった下級生の過重労働解消への動きにも言及。「出演者による稽古用小道具の製作を廃止し、スタッフが購入して保管のうえ、各組で共有しています」とした。
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これまで、本公演と同時進行で稽古が進む新人公演をめぐって、日程に余裕を持たせるなどして改革を進めていたが、小道具にも着手した。
演劇制作に従事する外部スタッフからの助言も得て「稽古場運営のあり方や役割分担にも検討を進めていく」方針も示した。
さらに、昨年末以降実施してきたハラスメント研修は「出演者を対象に全組で実施した」とし、全スタッフを対象に「動画視聴によるハラスメント研修を実施している」とした。
団員の心身の健康管理体制については「(従来の電話、メールに加えて)ウエブでの予約受け付けを開始した」といい、昨年末に設けた「匿名で投稿できる意見箱の設置」にも言及。「設置以降、多数の意見が寄せられており、それぞれの意見に対して真摯(しんし)に協議・対応を重ねております。これまで4度にわたって、劇団員の代表から劇団員宛に進捗を書面にて報告しておりますが、引き続き各意見に真摯に向き合い、関係各所と協議の上、順次改善に努めてまいります」との姿勢を示した。
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