【ハイキュー‼×SVリーグ】サントリー染野輝が貫いてきたエース道 『ハイキュー‼』の好きなキャラ1位も「小さなエース」

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2024年10月11日 10:31  webスポルティーバ

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『ハイキュー‼』×SVリーグ コラボ連載(2)

サントリーサンバーズ大阪 染野輝

「小、中、高、そして大学とエースという存在で。それを自覚し、責任を持って、自分にプレッシャーをかけてやってきました」

 染野輝は、己の足跡をそう振り返る。自らに負荷をかけ、鍛錬される。鉄は叩けば叩くほど強くなり、やがて光り輝き出した――。

 染野がバレーボールを始めたのは、6歳の時だという。ただ、もっと幼い頃から5歳上の姉がバレーボールをやるのを見学したり、試合を応援したり、常に身近な存在だった。小学1年で監督に「やらないか?」と誘われた時、やらない選択肢はなかった。

「姉の影響は強かったですね」

 染野は感慨深げに言う。

「ずっとバレーしか見ていなかったし、"面白そう"と思っていました。自分から『入りたい、やりたい』とは言っていなかったと思うんですが、親も(別のチームなどになると)送迎も大変だったはずなので、半強制的に入るという事情もあったといいますか(笑)。でも、嫌じゃなかったので。入った時から、サーブを上から打っていたのを覚えていますね」

 スタートからアウトサイドヒッターで、エースの重荷を背負ってきた。トスを託され、決めることで勝つ。決めなかったら"戦犯"として吊し上げられる立場で、中学では重圧に晒され、高校時代(駿台学園)の春高バレー決勝では思うように体が動かない経験もした。しかし、その勝負にとことん燃えてきたという。

「途中でセッターに憧れたこともあるんですけどね、カッコいいなって(笑)」

 そう語る染野は、真面目さのなかにどこか茶目っ気もある。

「小学校は弱小チームだったんですけど、小4で合同チームになったあとは勝つ喜びを知って。アウトサイドヒッターは、自分のプレーで勝敗が左右されるのが面白いし、それを自覚してやってきました。でも大学3年の時、(全日本インカレを)2回戦で負けてしまい、責任を持ってやってきたつもりだったけど足らなかったんだなって。だから、4年で『キャプテンやれ』と言われた時は、これ以上なく自分を追い込み、チームも追い込んで......」

 目標だった全日本インカレでは、2年ぶりに自身2回目の準優勝を勝ち取った。エースへの思いを裏切ったことはない。その経験は、今年1年目となるSVリーグにも繋がるか。

「プロの世界では、自分が楽な方向に逃げるのはいくらでもできてしまうんじゃないかと。だからこそ、めげずにやりたい。そのための継続力は身につけてきたつもりなので」

 染野は高らかに言う。

「自分はディグ(スパイクレシーブ)を見てほしいですね。守備型のアウトサイドヒッターなので。もちろん、今後はスパイクの引き出しを多くしていきたいんですが、現時点で求められるのはディフェンス面かなと」

 エースはプロの世界で生きる道を見極めていた。

【バレーボールに人生を捧げてきた者たちの『ハイキュー!!』】

――『ハイキュー‼』、作品の魅力とは?

「『ハイキュー!!』は、小学4年から読ませてもらっています。親がたまたま買ってきてくれたのがきっかけでした。アニメ、映画も見ていますよ! やっぱり現実味があるから面白くて。『(読み始めた時は)まだみんなは知らないだろうけど、僕は読んでいると思っていました(笑)』」

――共感や学んだことは?

「たくさんあるんですけど、読んでいるとバレーボールをやる気が出てくるんですよ。日向翔陽も頑張っているし、僕も頑張ろうって(笑)」

――印象に残った名言は?

「鴎台の星海光来が、『小さいことはバレーボールに不利な要因であっても 不能の要因では無い‼』って言うんです。それに尽きるなって。気持ち、わかりますね。自分(身長186cm)も、周りに身長180cm台後半や190cm台の選手もいるなか、『お前、ちっちゃいんだから......』って言われ続けてきたので、刺さるっていうか」

――好きなキャラクター、ベスト3は?

「やっぱり、星海が1位ですね。2位は青葉城西の及川徹。あれだけチャラく見えるのに、プレーになると変わるところとか。自分が好きになったきっかけは、インターハイの烏野戦の前日、夜遅くまでひとりでヘッドホンしながら烏野の動画を見て、ずっと研究して次の日に対策しているのが、まさにバレーボールだなって。自分も駿台学園時代は、そういうデータバレーをやっていたんで、そこも共感できました。

 3位は意外なキャラにしたいな(笑)。なかなか選ぶのは難しいですけど、烏野の澤村大地で。(自分も主将をやっていたので)キャプテン、好きです。インターハイ予選で青葉城西に負けたあと、東峰旭や菅原孝支に対して、『お前らと、まだバレーしてえ』と言う熱い部分もグッときます」

―ベストゲームは?

「これも選べないです(笑)。だけど、春高バレー予選のほうの烏野vs青葉城西ですかね。この試合は胸熱でした。及川、よかったです! 試合終盤の『――才能は開花させるもの ――センスは磨くもの!!!』という言葉からの、お互いがつなぐ展開がたまりません」

(3人目:サントリー甲斐孝太郎は生まれた時からバレー漬け 『ハイキュー‼』は「バレーを始めるきっかけにおすすめ」>>)

【プロフィール】
染野輝(そめの・ひかる)

所属:サントリーサンバーズ大阪

2001年7月3日生まれ、茨城県出身。186cm・アウトサイドヒッター。姉の影響で6歳からバレーボールを始める。中学卒業後、駿台学園時代には春高バレー2020でチームを準優勝に導くなど活躍。順天堂大では全日本インカレで2度の準優勝を経験した。ユニバーシアード日本代表にも選ばれ、2024年にサントリーサンバーズ大阪に入団した。

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