視力をサポートする新ジャンルの製品ということで、2023年末に発送が始まったオートフォーカスアイウェア「ViXion01」(ヴィクシオンゼロワン)を4番目に出資していたジャイアン鈴木です。
……ただし、使ったのは1週間だけ。それからずっと放置していました。その理由は、私の頭がデカイから。
頭囲が64cmある筆者は、バイクや自転車用ヘルメットは限られたモデルしかかぶれず、フリーサイズの帽子にも収まりません。そんな私の頭──というか顔には、ViXion01は小さすぎたのです。
→・「ViXion01」の今までにない感覚が人生の選択肢を拡大 オートフォーカスアイウェアでライフスタイルが変わる
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そんな私に朗報。私のでっかい顔でも問題なく装着できるという新モデル「ViXion01S」(ヴィクシオンゼロワンエス)のクラウドファンディングが、9月26日からKibidangoとGREEN FUNDINGで始まっています。
なお、クラウドファンディング特典を含む価格は下記の通りです。
・超早期割引価格:5万9800円(※200台限定)
・早期割引価格:6万2800円(※200台限定)
・特別価格:6万4800円
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・2個セット割引価格:11万9600円
・3個セット割引価格:17万9400円
本記事では、私と同様にViXion01を装着できず、あふれる涙でピントが合ったのかどうか分からなかった同士に向けて、ViXion01Sの実機レビューをお届けします。
※今回借用したのは試作機のため、実際の製品と仕様が異なる可能性があります。特に「アウターフレーム」は3Dプリンター製で、レンズがはまっていません。実測重量などは参考に留めてください。
●「ViXion01S」は第2世代ではなくアップデートモデル
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新たに登場したViXion01Sは、ViXion01の新型というわけではなく、アップデートモデルという位置付けです。本製品の中核技術である、形状が変化するレンズはViXion01と全く同じ。もちろんサイズ(径)にも変更はありません。
最大の変化は形状です。ViXion01は非対称でしたが、ViXion01Sは左右対称デザインに変更されたことで普通のメガネ感覚で装着可能となりました。ViXion01のSFっぽいデザインはすてきでしたが、筆者のように顔が大きいと深くかけることができません。デザイン性よりも、装着性という点で、今回の変更は大歓迎です。
かけ心地という点では軽量化も大きなポイントです。ViXion01のサイズは約160(幅)×160(奥行き)×35(高さ)mm、重さ約55gのところ、ViXion01Sは約155.5(幅)×163.44(奥行き)×42.5(高さ)mm、重さ約45gと軽量化しています。レンズをはめるアウターフレームを外せば、さらに約31gへと軽量化できます。
ちなみに筆者が使っているメガネの重量は32gです。ViXion01Sを装着したままで顔を左右に振ってみると、軽さを実感できますね。
形状変更と同じく、待ち望んでいた方が多いであろうアップデートが、新たに用意されたアウターフレームです。単に普通のメガネに見た目を寄せただけでなく、任意のレンズを装着できるので、乱視の方もコンタクトレンズ無しにオートフォーカスアイウェアを利用できるようになりました。
また、ブルーライトカットレンズを入れることもできます。リューターでプラモデルやエアガンの部品などを削るときに、標準で付属する度なしレンズ付きアウターフレームを装着していれば、ある程度は目の付近を守ることができます(強力な工具で加工などを行う際には、専用のゴーグルを必ず着用しましょう)。
ゴーグルの下にViXion01Sを装着した場合、ゴーグルのレンズが距離センサーをふさぐため、オートフォーカスが誤操作します。サイズ的にはゴーグルの下に装着できますが、正常に動作させるためには距離センサー部に穴を開ける必要があるのでご注意ください。
細かな部分では、右側だけにあった視度調節ダイヤルが、視度調節レバーに変更されて左右に配置されるようになりました。バッテリーは3.7Vリチウムポリマー(150mAh)と同じですが、バッテリー駆動時間がViXion01は最大約10時間だったのに対し、ViXion01Sは最大約15時間に延長されました。
連続15時間も装着して使う状況はかなりのレアケースだと思いますが、これだけバッテリー駆動時間が延長されれば、出先で充電する必要はまずないでしょう。
●「ViXion01S」でも私の頭にはまだちょっときつかった
さて、実際に使ってみた感想をお伝えしましょう。まず装着感については、しっかりと深くかけることができ、ずれることもありません。ただ個人的には長時間装着すると、少し痛みを感じました。とはいえ、従来のViXion01とは異なりViXion01Sは左右のツルに何も入っていません。ドライヤーかヒートガンの風をかけながら、少し広げてしまえば、解決するかなーと思っています。
レンズ(径)の小ささに起因する有効視界については、今後広くなってほしいと考えています。しかし、現時点でも十分実用的です。どのぐらいの範囲が見えるのかお伝えするのは難しいのですが、20cmぐらい前に持っているコミックのだいたい2分の1ページが収まるというとイメージしやすいでしょう。
試作機でマンガを読んでいて気になったのが、オートフォーカスの挙動です。ページからページに移るときにフォーカスがずれることはないのですが、視界の際(きわ)の部分が微妙に広くなったり狭くなったりします。それだけオートフォーカスを小まめに調整しているのでしょう。
ただし、ViXionによれば、Bluetoothが最新バージョンの5.4となり、常時接続可能となったことで、ファームウェアをアップデートしないと変更できないような設定もアプリから可能になるとのことです。現時点ではアプリの仕様は不明ですが、継続的な進化も期待できそうです。
今回、ViXion01Sを数時間ほど連続して使ってみたのですが、レンズが小さいことにはメリットもあります。装着したままでも少し視線をずらせば、レンズ外をしっかりとみられるのです。例えば、エアガンのメカボックスをViXion01S越しにいじりながら、参考となるYouTube動画をレンズ外からチラ見できたりします。
大口径新型レンズを採用したフルチェンジモデルなどが発売されたら、コロッと考えを変える可能性大ですが、現世代を利用する際にはそんな使い方をしてもよいのではないでしょうか。
●前モデルからの改善点多数 デカ頭の筆者は買い替え不可避
ViXion01を購入した筆者としては、レンズ径を拡大したフルモデルチェンジでの買い換えを予定していたのですが、装着しやすさ、軽量化、自由にレンズを選べるアウターフレーム(ブルーライトカットレンズを入れたいです)、直感的な視度調節レバー、バッテリー駆動時間の延長と、改善点が多岐にわたります。しつこいようですがデカ頭の筆者は、「ViXion01S」に買い替えざるをえません。
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