高橋は、2013年から油絵を描きはじめ、10年間にわたり自身の人生に影響を与えたミュージシャンや俳優を題材に、目の部分を塗りつぶした肖像画を制作してきた。昨年8月には、自身初の個展「THEY CAN SEE MORE THAN YOU CAN SEE」を開催した。
Peaceable Kingdomでは、パティ・スミスの同名楽曲をインスピレーション源に、高橋が持つ平和への深い願いと、現代の混沌とした世界の間の葛藤を反映した新作を展示。高橋の作品を代表するモチーフであり、同氏が「その人物の『視点』を吸収し、自らの一部として反映する方法」として表現する、目を消した人物像や、オリジナルキャラクター「ピンクマン」を描いた作品に加え、アンダーカバーの2025年春夏メンズコレクションのプリントモチーフとなったキャンバス作品「Future Days」の3部作を初公開する。夢のような風景の中に歪んだ肖像を描いた作品のほか、林檎や雲といったモチーフを組み合わせた油絵、控えめなカラーパレットで陰鬱としたイメージの中に青空を描いた作品などを通して、混沌の中に存在する平和を暗に表現するという。