倒産寸前からの大逆転! 大阪発「LOGOS」が“日本を代表するアウトドアブランド”になれた理由とは 「5mから800m戦略」で呼び込んだブーム再来

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2024年10月12日 11:10  まいどなニュース

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日本代表するアウトドアブランド「LOGOS」 ©テレビ大阪

わずか3分で組み立てられるテント、屋外でピザを焼ける釜など数々のヒット商品を生み出しているアウトドアブランド『LOGOS(ロゴス)』。日本でも有数のアウトドアブランドですが、もともとは海洋レジャー用品から出発していたことをご存じでしょうか?そんなLOGOSの知られざる誕生秘話、そして3代目社長による業績回復は苦難の連続!「90年代キャンプブーム」「山ガールブーム」を経て今の「キャンプブーム」をどう先読みしたのか⁉ 赤字からの復活劇に迫ります。

【動画】父との確執、経営危機に陥った家業…LOGOS誕生の裏側には数々の苦難がありました

「しょせん社長のせがれ」と言われて…

「LOGOS(ロゴス)」は大阪・大阪市にある株式会社ロゴスコーポレーションのアウトドアブランド。前身は、海洋レジャー用品販売会社「大三商事」です。2代目社長、柴田郷二郎の長男として生まれた茂樹。ところが大学の進学先について父との間に確執が生まれ、家業とは関係のないスポーツ用品の卸売メーカーに就職します。

しかし就職から4年後、大三商事は高額なヨットやボートなどの高額商品の販売不振で倒産直前となり、父からSOSの連絡が…。「思うようにやったらいい」という妻の言葉、幼い頃から知っている従業員たちを思い、1982年に父の会社に入社します。

しかし、入社した茂樹を待ち受けていたのは恐ろしい状況。在庫管理もろくにせず、商品を売る気もない社員たちは「倒産」するという危機感が全くない状態でした。

とにかく在庫をさばくために奮闘する茂樹を見て、他の社員は「社長のせがれはあかんな」と陰口を叩く始末。それでも気にせず働く中で、茂樹はこのままでは会社が立ち行かなくなると考え、新たな収入源を模索することに。

海洋レジャー用品からキャンプ用品へシフト

そんな中、茂樹は「木製のテーブルセット」が特に売れていることに気づきます。さらに何気なく読んだ雑誌から、欧米文化への憧れによるキャンプブームの到来を認識。

そこで、「これからの時代はキャンプ用品だ」と確信し、「海から丘へ」と取り扱う商品を海洋レジャー用品からキャンプ用品に切り替えることにしました。そして1985年に「LOGOSブランド」を立ち上げ、アウトドア用品の本格展開をスタート。

ターゲットを絞り大躍進

アウトドア用品で再出発を図った茂樹。しかし、社員たちが小売店へ営業に行くと、登山専門店から「テントは重すぎる」「こんなものを担いで登山できない」とこき下ろされてしまいます。そんな時、茂樹は社員に「LOGOSは高性能の『フェラーリ』を目指していない、目指すのは家族で乗れる『カローラ』だ」と伝え、ターゲットを「家族」に設定します。

さらに「5mから800m」というキーワードを掲げ、海辺から5mまで、山の標高800mまでの範囲で使えるアウトドア用品を扱うことに。

「5mから800m」以外の範囲は専門メーカーに任せ、「ファミリーが遊べる領域」にターゲットを絞ったことでLOGOSの売れ行きは順調に伸びていきました。

キャンプブームの終焉…

ところが1995年、阪神淡路大震災が起こりアウトドアブームは終焉を迎えます。業績が悪化する中、1998年、茂樹は社長に就任しますが、7期連続減収減益。ついに2005年には深刻な倒産危機に陥りました。しかし、茂樹社長は20年前にブームがあったのだから再び勝機は来ると読んでいました。この状況下でなぜ茂樹さんはキャンプブームの再来を信じていたのでしょうか?

ブームは再びやってくる

それは、1985年から1995年の「第1次キャンプブーム」で子どもだった人たちが、大人になって子育てをする過程で、きっと再びキャンプに行くだろうと予測したからです。

その読み通り、2009年に「山ガール」ブームが到来!これに伴いLOGOSの業績も回復します。さらに、「山ガールが子育て世代になれば女性主導のキャンプブームが来る」と考え、女性スタッフの雇用を促進しました。

女性視点ならではの商品を続々開発

「かわいいか」「使い勝手がよいか」「子どもが喜ぶか」など女性視点ならではの商品を次々と開発。また女性スタッフが商品の魅力を発信することで、キャンプの新たな価値観も生まれていくだろう、と茂樹さんは考えました。

2018年には女性目線を活用したキャンプ施設も京都に誕生、家族層から支持を得ています。

茂樹社長は「ピンチ脱出の手がかりは必ず身近にある」と語ります。「本当にピンチになった時には、足元を見て光っているものはないかと探していけばきっと何か見つかる」何か困っている時こそ、身の回りを見渡してみれば何かヒントが見つかるかもしれませんね。

【番組情報】

〇番組名
日経スペシャル もしものマネー道もしマネ
〇内容
『もしもの時』に備えるマネー道!マネー活用バラエティ!
〇放送日時
テレビ大阪 第1〜3日曜日 午後2時放送!放送終了後はYouTubeチャンネル、TVerで無料見逃し配信中。

(まいどなニュース/クラブTVO編集部)

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