アキュラ・メイヤー・シャンク・レーシングw/カーブ・アガジャニアン(アキュラMSR)は10月15日、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に復帰する来季2025年のドライバーラインアップを発表した。
計2台のファクトリー仕様『アキュラARX-06』を運営する同チームには、2023年にメイヤー・シャンク・レーシングの60号車アキュラをドライブしたトム・ブロンクビストとコリン・ブラウンが復帰すると同時に、新メンバーとしてGTPスターのレンガー・バン・デル・ザンデとニック・イェロリーが加わることとなった。
今季限りとなったチップ・ガナッシ・レーシングによるキャデラックのファクトリープログラムを離れたバン・デル・ザンデは、同じく移籍加入の元BMWワークスドライバー、イェロリーとチームを組み、ホンダ・レーシング・コーポレーションUSA(HRC US)のスタッフがエンジニアリングする93号車アキュラARX-06をドライブする予定だ。
一方、古巣復帰となるブラウンとブロンクビストの両名は、昨年のウェザーテック選手権でシーズン3勝をマークした60号車で再会を果たす。
「トム(・ブロンクビスト)とコリン(・ブラウン)をARX-06のコクピットに戻すのは理にかなったことだ」と語るのは、チームの共同オーナーであるマイク・シャンク。「ふたりは2023年に素晴らしいシーズンを過ごしたが、それは彼らが一緒に成し遂げられることのほんの一部に過ぎないと思う」
「そして、レンガー(・バン・デル・ザンデ)とニック(・イェロリー)が加わることは、チームにとって大きな資産になると考えている。ふたりともプロトタイプレースで豊富な経験を持ち、過去数シーズンでは大きな力を発揮しているからね」
今年7月に発生したクラウドストライクによる世界規模のPCトラブルを受けてチームが撤退するまでの間、クラウドストライク・バイ・APRからウェザーテック選手権のLMP2カテゴリーに参戦していたブラウンは、MSRとともに迎える新シーズンを楽しみにしている。
「僕たちの2023年は素晴らしいものだった。シーズンが始まれば、僕たちはすぐに元の状態に戻れると確信している。アキュラ/HRC USの素晴らしく勤勉なメンバー全員と一緒になることは、僕のモチベーションを高めてくれる」とブラウン。
「MSRと一緒に仕事をするのが楽しみなのは言うまでもない! まるでバンドを再結成したようなもので、中断したところから再開するのが待ちきれないよ!」
ふたたびコンビを組むブロンクビストも「MSRとともにIMSAに戻れることを嬉しく思う」と語った。「このチームは僕にとって家族のようなもので、一緒にスポーツカーで多くのことを成し遂げてきた。コリン(・ブラウン)が一緒にいることで僕たちは知られた存在になった。来年は最初からレースで勝つことを期待している」
■バン・デル・ザンデ「アキュラはいつも手強かった」
先週末のプチ・ル・マンで、キャデラックでの7年間の最後を勝利で彩ったバン・デル・ザンデは、「新しいチームと新しいブランドに参加できることに、とても興奮している」と述べた。
「この機会を与えてくれたマイク・シャンク、ジム・メイヤー、そしてHRCのすべての人々に感謝したいが、キャデラックにも7年間にわたって僕のためにしてくれたすべてのことに対し、深く感謝しなければならない」
「キャデラックとチップ・ガナッシ・レーシングは僕のレーシングファミリーになった。彼らと離れるのは辛いけれど、新しい章を迎えるときが来たのだと思っている」
「過去7年間、僕はレースでアキュラと戦ってきたが、彼らはつねに手強い競争相手だった。今は彼らの側に立ち、彼らのリソースを活用し来シーズンは一緒にハンドルを握ることで何ができるのか、何を見ることできるのか、それらを考えて興奮している」
昨年BMWでプロトタイプデビューを果たしたイェロリーは、新たなチームメイトとなるバン・デル・ザンデと同様にプチ・ル・マンをもってドイツメーカーとの6年間の旅にピリオドを打ち、新シーズンを前にアキュラ/HRC陣営に加入した。
「このプロジェクトに参加できることを本当に楽しみにしている」と彼は語った。「パドックで見ている限りアキュラARX-06は非常に競争力があるので、それが実際どのようなものかを見るのが楽しみだ」
「MSRは素晴らしいレーシングチームであり、2023年に対戦したときに彼らの競争力の高さを知ることができた。また、彼らがインディカーでも大きな飛躍を遂げているのを見るのは素晴らしいことだと思う」
今回、計4名のレギュラードライバーを発表したアキュラMSRだが、デイトナ24時間やセブリング12時間、プチ・ル・マンなどの長距離レースで構成される“ミシュラン・エンデュランス・カップ”での追加メンバーについてはアナウンスしていない。