「南海トラフ地震臨時情報」をどう理解するか 評価検討会会長「脆弱性が高いか低いかを決めるのは個人」「今後の議論が必要」 地震学会で見解表明

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2024年10月24日 00:26  TBS NEWS DIG

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8月に初めて発表された「南海トラフ地震臨時情報」について、南海トラフ地震評価検討会の平田直会長は、 事前に定められた手続きに従って発表されたとした上で、 臨時情報を社会がどう理解するかについては、議論が必要だとの考えを示しました。

南海トラフ地震評価検討会 平田直 会長
「南海トラフは、過去に繰り返し2011年の東北の地震のような巨大地震が起きていたという証拠があります。(地震発生の予測に)基本的にどういう数字を使うかには、いろいろ研究者によって議論があると思いますけれども、地震発生の可能性が高いということが、これは地震学のコンセンサスだと私は思います」

南海トラフ地震評価検討会の平田直会長は、新潟市で開かれた日本地震学会の秋季大会で講演し、8月8日に日向灘で発生したマグニチュード7.1の大地震をきっかけに「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」と「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が初めて発表された経緯について、 自ら地震の評価を行った立場を踏まえて説明しました。

平田会長は、2017年以降、国は地震の予知を前提とする防災対応を行わなくなったとした上で、予知はできないものの、地震の発生する可能性が高くなったと評価された場合には、脆弱性の低い人=すぐに逃げられる人、防災力の高い人は地震に少し注意するくらいで良いが、脆弱性の高い人=すぐに逃げられない人は普段よりも一段高い防災対応をとらなければならないと述べ、ポイントを次のように指摘しました。

南海トラフ地震評価検討会 平田直 会長
「重要なのは脆弱性が高いとか低いとかというのは、国が決めるのではなくて、基本的には『自分で決めなさいよ』と。ここが難しいところです。しかしここが最も重要なことだと私は思っています」

平田会長はまた、「臨時情報」は事前に定められた手続きに従って発表されたと述べた一方、臨時情報を社会がどう理解するかについては問題が残っていて、今後、議論が必要だとの考えを示しました。

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