賀来賢人「この作品が、海外に向けてアクセルを踏み込むきっかけに」世界配信作品に懸ける思い「龍が如く 〜Beyond the Game〜」【インタビュー】

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2024年10月24日 11:00  エンタメOVO

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賀来賢人【スタイリスト:小林新(UM)/ヘアメイク:藤原羊二(UM)】(C)エンタメOVO

 世界的大ヒットゲーム「龍が如く」シリーズを基にしたAmazon Originalドラマ「龍が如く 〜Beyond the Game〜」(全6話)が10月25日からPrime Videoで世界配信スタートとなる。歓楽街・神室町を舞台に、1995年と2005年という二つの時代が交錯しながら、極道の世界に飛び込んだ主人公・桐生一馬(竹内涼真)と仲間たちの運命をサスペンス要素とアクション満載で描く物語だ。

【動画】ドラマ「龍が如く〜Beyond the Game〜」予告映像

 本作で、児童養護施設で桐生と兄弟のように育った錦山彰を演じるのは、映像制作会社“SIGNAL181”の設立など、国内に止まらない幅広い活動で注目を集める賀来賢人。「海外に向けてアクセルを踏み込むきっかけになった」と語る本作の舞台裏や世界配信に懸ける思いを語ってくれた。




−賀来さんが演じた錦山彰は、1995年と2005年という二つの時代が舞台となる本作で、駆け出しのチンピラからヤクザの組長にのし上がっていくキャラクターです。10年の変化が如実に感じられましたが、どのように演じられたのでしょうか。

 台本を読んで一番やりたいと思った役が錦山でした。すごくシンパシーを感じましたし、時系列通りの撮影だったおかげもあり、極道の世界でのし上がっていく錦山と共に僕も成長できました。1995年と2005年の間の描かれていない10年間については、事前に監督から年表をいただき、丁寧にすり合わせながら、埋めていきました。その分、ものすごく体力、気力、精神力を消耗する役で、毎日、撮影が終わるとぐったりしていました。

−その熱演ぶりは映像からも伝わってきます。ほかにも豪華キャストがそろっていますが、錦山と兄弟のように育った主人公・桐生一馬を演じる竹内涼真さんの印象はいかがでしたか。

 本当に好青年でした。真面目でストイックで、ものすごく向上心があって。不器用なところもあるんですけど、それが桐生一馬という役にすごく合っている。完成した作品を見て、彼が主演でよかったとつくづく思いました。座長としては、「俺についてこい!」という感じではなく、自分の姿勢で現場を引っ張っていくタイプで、僕も彼を支えたいと素直に思えましたし。僕とすごく馬が合ったので、現場でいろいろな話もしました。

−竹内さんとどんなお話を?

 作品についてはもちろん、世界配信ということで、自分たちは今後、世界に向けてどうアクションを起こしていけばいいのか、といった話もしました。彼は向上心があってチャレンジを恐れない人ですし、僕も未経験のことに飛び込むのは好きなので。そんなふうに話が合う人って、実はあまり多くないんです。おかげで、撮影が終わって1年以上経つ今も交友関係が続いていますし、竹内くんと出会えたことは、大きな収穫でした。







−同じく錦山の幼なじみ・澤村由美を演じるのは、今年、大ブレイクした河合優実さんです。

 今だから言うわけではありませんが、間違いなくブレイクすると思っていました。河合さんとは今回、初めてご一緒しましたが、存在感が本当に素晴らしい。落ち着いているし、自分なりの表現方法を持っていて。年は僕の一回りくらい下なんですけど、幼なじみ役を演じても、まったく物おじする様子がないんです。内心、不安もあったと思いますが、覚悟を決め、きちんとプロとして仕事している印象を受けました。それでも、ときどきすごく子どもっぽいところもあり、年相応なんだな…と思えば、急にガラッと表情が変わる。天性のものを持っているんでしょうね。竹内くんとも「すごい」と話していました。いずれは日本を代表する俳優になる予感がします。

−竹内さんと海外進出についてお話をされたとのことですが、賀来さんは世界配信作「忍びの家 House of Ninjas」(24)をプロデュースし、同作のデイヴ・ボイル監督と共同で映像制作会社“SIGNAL181”を設立するなど、最近は海外を意識した活動が注目を集めています。そのモチベーションはどこから来ているのでしょうか。

 コロナ禍の最中、「このままだと仕事がなくなる」と思って企画を考え始め、1年くらい経った頃、「なぜ安定して仕事があると思っていたんだろう?」と疑問が湧いてきたんです。元々、親の猛反対を押し切り、俳優という特殊な仕事を選んだはずなのに、長年続けていると、人間は安定を求めるようになるんですよね。「このまま今の暮らしができればいい」と。でも、そんなわけないと気付いて。だったら、好きなことをやろうと、コロナ禍が明けてから「忍びの家」を作ったり、独立して制作会社を立ち上げたりしました。でもそうしたら、逆に今では歯止めが利かなくなってきました(笑)。




−元々、海外進出の意欲はお持ちだったのでしょうか。

 考えていませんでした。きっかけになったのは、配信というメディアが登場したことです。それによって、どこにでもチャンスがあると気付き、実際に配信作品に出演してみたら、海外でも面白いくらい、僕だと気付かれるようになって。そういう経験をして、日本で制作した作品を、世界同時にご覧いただける世界配信のすごさを改めて実感しました。なんて画期的なシステムなのかと。

−なるほど。

 同時に、真田(広之)さんが、主演と製作を務めた「SHOGUN 将軍」(24)で、米国のエミー賞18部門受賞というとてつもない偉業を成し遂げた様子を見ると「まだまだ、もっとやれる」とも思いますし。大先輩が体を張って、レールを敷いてくれたからには、自分たちも挑戦しなければと。だから今は、僕も意識がどんどん海外に向かっています。

−米国で行われた『龍が如く』の出演発表会見では、英語であいさつしていましたが、以前から勉強されていたのでしょうか。

 英語は共同で会社を設立したデイヴとコミュニケーションを取るために勉強を始めました。10年続ければものになるだろう、というくらいで考えています。

−そういう賀来さんの海外進出への取り組みの中に、この「龍が如く」も位置付けられるのでしょうか。

 実は、僕が独立して最初に決まった仕事が、この作品なんです。日米クリエーターが集結し、「龍が如く」から新しいオリジナルドラマを作るという話にワクワクし、「絶対やる!」と。そういう意味では、これは、僕が海外に向けてアクセルを踏み込むきっかけになった作品でもあります。いいタイミングで出合うことができました。

(取材・文・写真/井上健一)




Amazon Original ドラマ「龍が如く 〜Beyond the Game〜」(全6話)、240以上の国や地域で10月 25日(金)より世界独占配信

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