【エンタメ言葉帳Vol.13】太田光、ピーコさんを「残酷なほどやさしい」と形容した理由「報われないことをわかった上で…」

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2024年10月25日 07:00  ORICON NEWS

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太田光 (C)ORICON NewS inc.
 世間にあふれる番組やコンテンツの数だけ、数多くの言葉が紡がれている。そんなあふれる言葉の波の中から、気になるものを紹介する連載【エンタメ言葉帳】。第13回となる今回は、お笑いコンビ・爆笑問題の太田光が、22日深夜放送のTBSラジオ『火曜JUNK 爆笑問題カーボーイ』(毎週火曜 深1:00)で、親交のあったピーコ(本名・杉浦克昭)さんの訃報を受けての言葉を紹介したい。

【写真】2019年『ピーチケパーチケ』 ピーコさんが浜中文一&中山優馬らと笑顔

 オープニングトークの中で、太田は「ピーコさんが…ピーコさんが亡くなったというニュースが飛び込んできて。まあその前西田(敏行)さんだったし、その前も山藤(章二)先生で、続いているじゃないですかね。そっか、ピーコさん…悪いっていうのは聞いてたし、おすぎさんもちょっと調子悪くて施設入って、ピーコさんと仲悪くなって…みたいなことも、うわさレベルでいろいろ聞いていたけれども…」とコメント。

 続けて「何ヶ月か前に、タイタンライブにミッツ(マングローブ)が来てさ。ミッツも別にそれを公表してるかどうかわかんないから、詳しくは言わないけど、おそらくいろいろお世話してんだと思うんだよ。ミッツが楽屋あいさつに来て『そういえば、ピーコさん施設に入りましたんで、もう安心して、心配しないでください』って言っていたから『それは良かったね。施設に入れて』なんていう話も聞いてたけども。とはいえ、その前にね…取材とか来ると(実際は生存しているが)『おすぎは死にました』って言っているという話も入ってきていたから、大丈夫かなぁなんて思いながら」と自身の心境を口にした。

 その上で「施設に入って亡くなって、79歳。西田さんが76歳。そっかさみしいなと思いながら、昔の思い出をたどっていくと、我々は(フジテレビで)『爆笑おすピー問題!』っていう番組をやっていたんですよね。それが楽しくて。あと『笑っていいとも!』でも、ピーコさんと同じ曜日(レギュラー)だったり。食事なんか行くと、なんていうの。やさしさという意味では、あれほどのやさしい人たちはいないでしょ?残酷なほどやさしいんですよ」と形容した。

 その真意について「おすぎとピーコという人たちは、あの時代、昭和20年ですよね。その時代に生まれ、今は多様性なんて言われてるけどまさにそういう理解のある世の中じゃなかった。いろんなこと目にもあったんだけど、我々に対しては本当にそういうこと言わなかったじゃん。家も楽しかったし、学校も楽しくていろんなことやってきたのよ私たちっていう、楽しい話しかしないんですよね。我々が食事していると全部ピーコさんが『太田、これ食べなさい!』って言いながら(笑)、ピーコさんがもう本当に…もう全部とにかく、本当にやさしいというか」とピーコさんとおすぎのバックボーンを紹介しながらトーク。
 そして「それがなぜ、残酷なほどやさしいって、オレは感じるかっていうと、今よく言う利他っていう、利他的っていう、自分を殺して他人のためにってよく言うけど、ピーコさんとおすぎさんを見ていると、一方的に人を愛するということ。見返りを求めず。それが本当に徹底的な人だなっていうのが。テレビの本番中とかは毒舌も言うし、人の悪口も言うけど、そっから離れた時に、我々のスタッフから何かに対するやさしさ」と語っていった。

 さらに「そういう意味で言うと、ピーコさんに、今までの恋愛の話とかも聞いたりしたのよ。本当に、なんていうのかな、これは僕が思った、その当時思ったことなんだけど、このやさしさって、おそらく報われない恋愛っていうものを。オレなんかも割とそうだけどさ、片思いとかそういうことばっかりだったじゃん。じゃあその相手に対して、でも一番重要なのは、桑田(佳祐)さんの『彩〜Aja』の歌詞じゃないけど、『世界中の誰より幸せになってくれ』っていう。あの歌詞に全部集約されていて。その人の幸せを祈る、私は愛してるんだから。その人が、たとえこっちに振り向いてくれなくても、その人の幸せを祈るのが本当なんだ」と自身の見解を披露。

 太田は「こういう言い方どうかわかんないけれども、いわゆるその当時ノンケって言いましたよね。要するにそういう人を好きになってしまうピーコさん。ノンケである男性を好きになってしまう人の残酷さってあるんだよね。オレは深い話は聞いてないんですよ。ただ恋人もいたと思います。だけどピーコさんやおすぎさんを見ていると、本当にそういう人なんだよね。そういう人を好きになって、自分は絶対に報われないってことをわかっていた上で、それでもその人に尽くすっていうことを、たぶんこの人たちは若い頃散々、自分の思いを殺し、その人の幸せのために尽くす。尽くすも何も、引くかもしれないしそれは。そういうことを、うんざりするほど経験してきたのが、この優しさじゃないかなと。だから残酷なやさしさだって、オレは当時思っていた」と意図を明かしていた。

 番組の模様は、放送後1週間以内は「radiko」で聞くことができる。

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