成田凌、東京国際映画祭コンペ出品「雨の中の慾情」片山慎三監督とタッグ「大変…もう十分です」

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2024年10月30日 13:14  日刊スポーツ

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映画「雨の中の慾情」東京国際映画祭舞台あいさつに登壇した成田凌(撮影・村上幸将)

成田凌(30)が30日、東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた、東京国際映画祭コンペティション部門出品の主演映画「雨の中の慾情」(片山慎三監督、11月29日公開)舞台あいさつに登壇した。質疑応答で、劇中で他にどんな役をやりたいか? と観客から質問が出たが「僕は、もうやりたくない…もう、いい。十分です」と笑いを交えつつ、切実に訴えた。


「雨の中の慾情」は、22年の「さがす」「ガンニバル」で知られる片山慎三監督(43)が、漫画家つげ義春氏が絵コンテのまま発表し続けた同名漫画を原作に創出し、脚本も手がけた。全く先の読めない規格外のストーリーテリングで、2人の男と1人の女の切なくも激しい性愛と情愛を描き切った。


成田は劇中で、奇妙な夢から覚めた売れない漫画家・義男を演じた。午前9時30分スタートの上映後、登壇すると「絶対に寝坊した人いるでしょう? という風景…入ってお疲れさんモードを感じる。朝から見る映画ではない」と笑いながら、朝から鑑賞した観客をねぎらった。出演した理由を聞かれると「見ていただいた通り、片山さんの作品は生半可な気持ちじゃできない。この仕事をしているなら、やりたいと思った」と答えた。


質疑応答に入る際に、成田は「質疑応答だぁ…」と、思わず漏らした。観客から「他にやりたい役は?」と聞かれると「もう…大変だったから、もういいです。もう、十分…全てを(出し切った)」と笑みを浮かべた。


この日は、成田演じる義男が大家(竹中直人)から引っ越しの手伝いにかり出され、向かった家の寝室で一糸まとわぬ姿で寝ていた未亡人・福子を演じた中村映里子(36)も登壇した。中村は、片山監督が製作、プロデューサー、編集、脚本を務め、製作費まで自費でまかない、各国で評価された映画「岬の兄妹」のオーディションや短編映画等で縁があった。「『岬の兄妹』からのご縁…1度、短編映画に出演した。その後、どんどん面白い、パワーアップしているな、という印象があった。その中、直接、お話をいただいて、やりたいと思った。本を読んで、どうなるか想像できなかったけれど、ベースには、つげさんのキャラクターのユニークさがあって面白いなと。成田さんと森田さんに出演は決まっていて、飛び込みたいなと」と出演理由を説明した。


日本×台湾の共同制作で、昭和初期の日本を感じさせるレトロな町並みが多い台湾中部の嘉義市で、撮影は23年3月にオールロケで行った。海外での撮影で大変だったことは? と聞かれると、成田は「海外での撮影…というより、片山監督だから大変」と、また本音を吐露。その上で「大変は…楽しいんですけどね」と、俳優としての本懐を遂げた喜びもにじませた。


舞台あいさつには、台湾の俳優李杏(40)も登壇した。

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