アルピーヌ・エンデュランス・チームのフィリップ・シノー代表は、2025年のラインアップ確定の締め切りが迫る中、ミック・シューマッハーが2年目もWEC世界耐久選手権に残ることを選択するだろうと「確信している」と語った。
シノーは今週末のシーズン最終戦、バーレーン8時間レースを前にこの発言をした。アルピーヌでは前戦富士限りでニコラ・ラピエールが現役を引退、この最終戦からはスポーティング・ディレクターの職に就いている。
アルピーヌが2025年のドライバーを確定させるのが遅れている理由のひとつは、2022年シーズンの終わりにハースチームのシートを失った後、F1に復帰したいという希望を公言しているシューマッハーに関係している。
シューマッハーはアルピーヌでF1に復帰する候補と見られていたが、最終的に2025年シーズンの同チームのシートをジャック・ドゥーハンに奪われる形となった。
「我々は祈っているし、彼が我々と一緒にこのプログラムを続けてくれると確信している」と、アルピーヌでのシューマッハーの状況について尋ねられたシノーは語った。
「しかし、状況、全体像はご存じのとおりだ。もう少し待たなければならない」
「決定する時はもうすぐだ。我々はミシュランとのテストを(ルーキーテスト後のバーレーンで)行い、その後ポルティマオ、そしてル・カステレ(ポール・リカール)で再度テストを行う」
「2025年に向けてマシンの改良を検討できるように、今年学んだことをすべてまとめる必要がある。だから、できるだけ早くドライバーを確定させる必要があるのだ」
■マルタンスのレースドライバー起用は否定
ラピエールの引退により、バーレーンではアルピーヌのリザーブドライバーであるジュール・グーノンが、ポール・ループ・シャタン、フェルディナンド・ハプスブルクとともに、35号車アルピーヌA424で今シーズン4回目の出走を果たす。
一方、これまで35号車をドライブしていたシャルル・ミレッシがラピエールに代わって36号車に乗り込み、シューマッハーとマシュー・バキシビエールと組んで最終戦を戦う。
しかしシノーは、グーノンのレースドライバーへの昇格が予想されること以外の、来季のさらなるラインアップ変更の可能性を否定しなかった。
「我々より前方にいる選手たちと戦うに必要なレベルに到達するには、他の選択肢も検討する必要がある」とシノーは語った。
「我々は各パープルセクター(タイミングモニター上の最速セクタータイム)を注視している! それも仕事の一部だよ」
先週発表されたポルシェからの離脱というニュースを受けて、フレデリック・マコウィッキはアルピーヌへの加入候補として注目されている。
一方でシノーは、最終戦翌日のWEC主催のルーキーテストでアルピーヌをドライブする予定のビクトール・マルタンスが2025年のレースドライバーとして検討されていることを否定した。
「彼とはあまり連絡を取っていないが、彼はアルピーヌファミリーの一員なので、彼をテストするのは理にかなっており、論理的だ」とシノー。
「また、クルマのレベルについて別の視点も得られるだろうし、非常に興味深い」
ARTグランプリからFIA F2に1年間出場したマルタンスは、現時点で2025年のプログラムが確定していない。