マイコプラズマ肺炎が猛威を振るっている。国立感染症研究所によると、全国約500の定点医療機関から10月14〜20日の1週間に報告された患者数は1医療機関当たり2.01人(速報値)。1999年に現在の集計方法になって以来、4週連続で過去最多となり、初めて2人を超えた。厚生労働省は手洗いやマスクの着用など基本的な感染対策を呼び掛けている。
厚労省によると、マイコプラズマ肺炎は「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染して起こる呼吸器感染症。人との接触や飛沫(ひまつ)で感染し、小児や若い人が発症することが多い。例年、報告された患者の約80%を14歳以下が占めるが、成人も感染する。
発熱やせき、頭痛などの症状が見られ、熱が下がった後もせきが数週間続くのが特徴。多くは軽症で済むが、肺炎を引き起こして重症化することもある。
感染研によると、9月29日までの1週間に定点当たりの患者数が1.65人となり、それまで最多だった2016年10月の1.64人(確定値)を上回った。その後、過去最多を更新し続けている。
10月20日までの1週間に報告された感染者数は965人。定点当たりの患者数を都道府県別に見ると、最多は青森(4.83人)で、佐賀(4.67人)、愛知(4.47人)、東京(3.84人)と続いた。
厚労省は、せきが長引く場合などは医療機関を受診するよう推奨。「感染者は秋や冬に増加する傾向がある」として、せっけんを使った手洗いや、マスクの着用を呼び掛けている。