4度にわたる延期の末、H3ロケット4号機が4日、鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げられた。搭載した防衛通信衛星「きらめき3号」も予定した軌道に無事投入され、関係者からは安堵(あんど)するとともに自衛隊の基幹通信として期待する声が聞かれた。
打ち上げ後に記者会見した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の山川宏理事長は、当初の予定から約半月遅れたことについて、「できるだけ早くと思いつつも、落ち着きも必要。成功には正直ほっとした」。同席した防衛省統合幕僚監部の加藤康博・指揮通信システム部長も「自衛隊の運用に影響はなかったが、気持ち的には…」と、笑みを浮かべた。
きらめき3号は海外や島しょ部など広域に展開する各自衛隊に安定、高速大容量の通信を届ける。加藤部長は「自衛隊の海外派遣や広域任務の態勢がさらに充実する」と期待を示した。防衛装備庁の菊田逸平事業監理官も「基幹通信として有効活用したい。今後予定する自衛隊の宇宙利用にも弾みとなる成功だ」と話した。