俳優の長塚京三(79)が4日、都内で開かれた映画『敵』の上映後舞台あいさつに登場し、共演した女性俳優について語った。
【写真】長塚京三&吉田大八監督 「敵」Tシャツ披露 同映画において瀧内公美、河合優実、黒沢あすかとの共演するシーンについて聞かれた長塚は「3人の女優さんは何(いず)れ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)という方々」とし、「映画主演が12年ぶりで、今をときめく女優さんと近しく共演することがなかった」と振り返った。そして、「ウルトラ妖艶なピカピカの女優さんと短い間だけど、独り占めできて幸せなことでした」と回想した後、「誰にお礼を言ったらいいのかなあ」とつぶやき、笑顔を誘った。
小説家・筒井康隆氏が1998年に執筆した同名小説を原作に、吉田大八監督により映画化。吉田監督は自身が年齢を重ね、これからの生き方を考えた際に30年ぶりに原作小説を読み返したことをきっかけに映画化するようになったと振り返った。
また、主人公の元大学教授・渡辺儀助について、「当初は原作の筒井康隆先生を頭に浮かべていただが、誰に演じてもらおうと考えた時に長塚さんが思い浮かび、動き始めたら止まらなくなった」と長塚京三を想定していたことを明かした。さらに、長塚の書籍を読んだことで「儀助がここにいるという確信を得た」と振り返り、儀助の考え方や振る舞い方に影響を及ぼしたことを打ち明けた。
元大学教授の渡辺儀助(長塚)は妻に先立たれ、残された預金を計算し、人間関係を生産し、慎ましく生きている。だが、ある日、書斎にあるパソコンの画面に「敵がやって来る」という不穏なメッセージが流れてくる。「第37回東京国際映画祭」でワールド・プレミア上映された。