ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『ミニスカート陸上』について語った。
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★今週のひと言「『ミニスカート陸上』に出場して痛感した、まさかのコト」
先日、くりぃむしちゅーさんの番組『くりぃむナンタラ』(テレビ朝日系)の人気企画「ミニスカート陸上 2024秋」に参加させてもらった。
そのコーナー名とグラビアディガーの俺が参加したことだけを聞くと、美女のセクシー企画のような印象を受けるだろうが、全然違う。
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俺を含め、おっさんたちが白ブリーフの上にミニスカートを着用して、さまざまな競技に挑み、競技の成功を目指すのはもちろんのこと、その後のスーパースロー再生チェックでパンチラをしていたら失格という、厳しくも硬派なスポーツ企画なのだ。
俺は以前より「ミニスカート陸上」のファンだったため、オファーをいただいたときは喜んで受けたのだが、やはり俺がニコニコでミニスカートをはいて躍動し、パンチラしている一面だけを指して、案の定、「仕事を選べ」だの「魂を売った」だのの声が一定数届いた。そんなつまらないヤツらは、一生眉間にシワを寄せてカッコつけていればいい。
俺は面白そうなことならなんでもやるし、それが俺にとってのカッコいいなのだ。
番組の話に戻すと、俺は「ミニスカート陸上」のファンである以前に、ミニスカート自体のファンでもある。
昨今のおかしな多様性とやらでミニスカートといえど女性以外が着用することもあるが、基本的には今も女性のものであり、俺はそんなミニスカートが大好きだ。
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とはいえ、見る専の俺は当然自身で着用したことはなく、ミニスカートを着用した上でのパンチラに留意した身のこなしや、動作的な制約などを考えたこともなかった。
ミニスカートを深く知るチャンスだったし、どうせはくからには美しくはきたいということで、前日には脚の毛をきれいにそり上げた。
おかげで今は再び伸び始めたスネ毛のチクチクに悩まされているが、これも初体験で、半強制的に剃毛(ていもう)や脱毛を義務づけられた女性の苦労も知ることができた。今これを書きながら気づいてしまったのだが、その考え方なら女性用下着や化粧も体験する必要が出てきてしまう。困ったな。
ともかく、そこまでの意気込みで臨んだ「ミニスカート陸上」、盲点は陸上の部分だった。もろゴリゴリど真ん中文系の俺は、およそ陸上とは無縁の人生を送ってきた。
俺はミニスカートのファンではあったが、陸上のファンだったことは一度もない。その上、よわい41を迎えた今、生活は穏やかで跳んだり走ったりする機会は余裕で10年以上なかった。
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それゆえに自身の運動能力の低下具合もまったく想像できていなかった。
よく子供の運動会とかで、張り切ったお父さんが若い頃の気持ちで走って脚がもつれてすっ転びまくってるのとかは知っていたし、自分が例外だとも思っていなかったが、それにしても想像以上だった。
もともと運動能力は人並み以下だったが、こんなにも思うように体が動かないものか......。不名誉なことにMVPも獲得してしまった。しかし、番組としてはそのほうが面白い。
『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「運動神経悪い芸人」を見て笑っていたが、自身も同じようなもんだったのだ。たかだか41歳で、こんなにもカラダが動かないと、さすがに危機感を覚える。
とはいえ、今は日常生活にはなんの支障もなく、特に発揮する場面もない運動能力向上のために走ったりジムに通ったりできるか?というと、なかなか厳しい。
俺のスタンスとしては、肉体が衰えきる前に科学の進化によってキレッキレのサイボーグボディを授かることに期待するのが正しい。
撮影/田中智久