アシックスが、2024年12月期第3四半期(2024年1月〜9月)の連結実績を発表した。売上高は前年同期比17.3%増の5254億円、営業利益は同64%増の915億円、純利益は同61.2%増の649億円と大幅に成長。これを踏まえ、今期の通期連結業績予想を上方修正。売上高および各利益はいずれも過去最高の予想で、中でも営業利益は、初の大台となる1000億円を見込む。
今第3四半期累計期間は、全カテゴリーで増収増益を計上。主にパフォーマンスランニング、スポーツスタイルおよびオニツカタイガーのカテゴリーが引き続き好調で、北米や欧州でも順調に推移した。地域別に見ても、日本をはじめ、欧州や中華圏を含むすべての地域で増収となった。
パフォーマンスランニングは、主に北米地域でランニング専門店を中心に業績を伸ばし、売上高は同約30%増の大幅伸長。同カテゴリーにおいては、パリ五輪における契約選手のメダル獲得数が前回大会の66から144へ大きく増加したことや、近年、大学駅伝でのシェアが拡大していることを踏まえ、今後さらなる成長を見込む。
スポーツスタイルは同63.4%増、オニツカタイガーは同52.7%増と大きく増収。スポーツスタイルは、パリファッションウィークとの連動イベントをはじめとしたファッション分野における訴求が奏功し、過去のアーカイヴの復刻ライン「ヴィンテージテック(VINTAGE TECH)」が伸長。北米や欧州、中華圏を中心に業績を伸ばした。なお、近年の好調を踏まえたスポーツスタイル領域の新たな取り組みについては、後日開催の中期経営計画説明会で発表される。
オニツカタイガーの売上高は、全地域において2桁増収を達成。中でも日本国内でのインバウンドと中華圏での好調が結果を牽引した。オニツカタイガー、またスポーツスタイルのカテゴリーは来期も好調を見込んでおり、在庫を強化していく方針だという。
また、同社が注力している無料会員サービス「OneASICS」の利用者数も伸長。シドニーマラソンと連動した施策により、会員数は同31.2%増の1666万人を記録している。デジタル分野では、EC売上高も同様に好調で、初の1000億円を突破した。アシックスの富永代表取締役社長COOは、シドニーマラソンでの結果と同サービスの展望について「非常に大きなマイルストーンとなった。今後もさらに拡大していきたい」と語った。
■2024年12月期 第3四半期連結業績売上高:5254億円(前年同期比17.3%増)営業利益:915億円(同64%増)当期純利益:649億円(同61.2%増) ■2024年12月期 通期連結業績予想売上高:6800億円営業利益:1000億円当期純利益:630億円