「あの子は虹の橋の見守り猫になった」 末期の慢性腎不全から驚きの回復も…21歳で逝去した愛猫を描き続けるイラストレーター

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2024年11月10日 11:10  まいどなニュース

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シャムの麦次郎くん

「甘ったれのお調子者で気がいい猫でした。今でも大切な存在。何かあった時には、力になってくれている気がします」

【写真】おうちに来た日…出産を控えた先住猫にも甘えるなど、当初からリラックスしていたそう

亡き愛猫・麦次郎くんへの愛をそう語るのは、イラストレーターの梶原美穂さん(@kajiyon)。

麦次郎くんは末期の腎不全から奇跡のV字復活を果たし、21歳まで生きてくれた大事な家族です。

先代猫の命日に値下げされていたシャム子猫をお迎え

出会いは、1996年9月。先代猫のお墓参りを終え、キャットフードを購入しようとペットショップに立ち寄った梶原さんは2カ月前からお店にいるシャム猫に目を奪われました。

訪れた時は、ショーケースの掃除中。その猫は小さなケージに入れられていました。出産予定がある先住猫がいるから、お迎えはできない…。そう思っていましたが、その猫はケージの隙間から手を伸ばし、梶原さんの腕を掴んできたそう。

「先代シャムの命日だったことや生後4カ月を過ぎて値下げされていたこともあり、即決し、連れ帰りました。シャムという猫種も関係していたかもしれませんが、とても小さかったです」

こうして家族になった麦次郎くんは、お迎え当初から家でリラックス。

「当時は知識がなく、先住猫の花子とすぐ対面させてしまいましたが、喧嘩などは起きませんでした。鳥かごにいたセキセイインコにも手を出さず、友好的でした」

看取りを覚悟した末期の腎不全から生還

やがて、麦次郎くんは花子ちゃんが産んだ子猫を甲斐甲斐しくお世話するように。子猫たちは、母親である花子ちゃん以上に麦次郎くんを慕いました。

「麦は、猫らしくない乱暴な遊びが大好きでした。あぐらをかいた夫が名前を呼んで膝を叩くと、あぐらでできた三角スペースにすっぽり。もみくちゃにされてから優しくポイッとされる遊びがお気に入りでした」

14歳の頃には慢性腎不全が突然悪化し、獣医師から「おうちで看取ってあげてください」と言われるまでに。

しかし、諦めきれなかった梶原さんは獣医師に相談しつつ、麦次郎くんの負担にならない範囲でサプリを与えたり、マッサージを行ったりしました。

「枇杷茶を少し入れたお湯で温めたコンニャクを布で包み、患部に枇杷の葉を敷いて乗せる“枇杷の葉コンニャク温湿布”など、良いと言われている民間療法は色々試しました」

なんとか元気になってほしい…。そんな願いが通じたのか、麦次郎くんはなんと奇跡のV字復活。体重も増え、獣医師からは「この病気でリバウンドした猫は初めてです」と笑われたそう。

「晩年には大好物であるカツオのなまりを鼻先に持っていくと、熟睡中でも一瞬で起きてペロリと平らげていました(笑)」

21年間の思い出と共に虹の橋へ

死の淵から生還した麦次郎くんは自宅で皮下点滴をしながら、7年間元気に生活。しかし、21歳の誕生日を迎えた頃、慢性腎不全の進行と脾臓の腫瘍が判明しました。

そこで、梶原さんは麦次郎くんと二人三脚で闘病。1日でも長く生きてほしいと願い続けました。

そんな深い愛を感じつつ、2017年8月16日の早朝、麦次郎くんは天国へ。21歳3カ月と大往生でした。

「最期は眼球が痙攣したように動いたり揺れたりして少し辛そうでしたが、薬が効き、割と穏やかにお別れできました。私と夫はナデナデし、讃えて見送りました」

やり切れたし、麦も応えてくれた。だから、苦しみや後悔はない。そう思えたものの、麦次郎くんがそばにいない生活は寂しいものでした。

「でも、私に持病が発覚した時、夢に現れて『ぼくがまもるからだいじょうぶ』と言ってくれました。私はなぜか、ああ…やっぱり平仮名で喋るんだとおかしくなりました」

夢を介して麦次郎くんと繋がれた梶原さんは、「あの子は見守り猫として虹の橋で生きていくことを選んだんだ」と納得し、少しずつ寂しさに折り合いをつけられるようになったそう。

「麦は本当に守ってくれているみたいで、特に生活を変えていないのに7年間、病気の進行がありません」

そう話す梶原さんは生前だけでなく、今も麦次郎くんをモデルにしたイラストを多数制作しています。

2024年12月1日(日)からは寒い季節に温かい気持ちになれる作品を集めた個展「Winter Party!」を開催。Xやインスタグラムに投稿されている、虹の橋で楽しく働く麦くんのイラストや添えられた文章は、ペットロス経験者の心に染みます。

「亡くなった子は着替えて帰ってくるためにお洋服を選んでいる最中かもしれないし、他の子たちのお世話係として活躍しているかもしれない。いずれにしても楽しく暮らしながら、私たちを見守ってくれているはずです」

だから、どんな形になるかは分からないけれど、再会できる日を楽しみにして暮らしていきたい。そう語る梶原さんの猫愛に触れると、亡き愛猫をどう愛し続けていこうかと考えさせられもします。

▽個展「Winter Party!」

開催期間:2024年12月1日(日)〜12月8日(日)
開催場所:東京都世田谷区梅丘1-44-10 ギャラリー来舎 梅猫庵
開催時間:11:00〜18:00(最終日16:00)
休廊日:会期中はなし
入場料:無料

<作家在廊予定>
12月1日…11:00〜18:00
12月2日〜12月7日…12:00〜17:00
12月8日…11:00〜16:00

(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)

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  • 【21歳で逝去した愛猫】って…。本文中にその表現はないので、おそらく記者がしているだけの表現なのでしょうが、その表現に違和感はないのでしょうか。不思議。
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