NPO法人 日本自動車殿堂は11月6日、『2024歴史遺産車』を発表。NS号、トヨタ2000GT、スズキ・アルト、スバル・レガシィの計4車種が選出された。
日本自動車殿堂が毎年選ぶ“歴史遺産車”とは、日本における自動車の歴史に優れた足跡を残した名車を選定し、日本自動車殿堂に登録して永く伝承するもの。2023年はオートモ号、ダットサン・ブルーバード、ミツビシ・パジェロ、マツダ787Bが選出されている。
今回選ばれたモデルは、次の二輪車1台と四輪車3台の計4台だ。
■NS号(1909年/明治42年)
この中でもっとも登場年が古いNS号は、島津モーターを起こした島津楢蔵氏の手によって独自に開発された。
動機は明治末期の1909年に、空冷単気筒エンジンを搭載した日本初のモーターサイクルとして登場。その後の量産モデルへと続く国産モーターサイクルの源流となった、歴史的名車だ。
主要諸元
駆動方式:ベルト
エンジン:4サイクル空冷単気筒
排気量:400cc
■トヨタ2000GT(1967年/昭和42年)
言わずと知れたトヨタ2000GTは、1965年10月に行われた第12回東京モーターショーで初登場。その後1967年に発売された。
ヤマハの協力もと開発された同車は、1966年の鈴鹿1000kmで達成されたワン・ツー・フィニッシュなど、数々のレースでの活躍に加え当時の国際速度記録樹立でも知られるが、このクルマのハイライトは日本人デザイナーが手掛けた流麗なスタイリングだろう。高性能で美しいデザインを持つ“日本製GTカー”として、世界的に高い評価を得た、歴史的名車だ。
主要諸元
寸法:4175×1600×1160mm
ホイールベース:2330mm
重量:1120kg
定員:2名
駆動:後輪駆動
エンジン:直列6気筒DOHC
排気量:1998cc
価格:238万円
■スズキ・アルト(1979年/昭和54年)
“軽自動車不要論”も囁かれていた1970年代後半、初代スズキ・アルトは軽自動車の排気量が550ccへと拡大されたのを機に、その本質を捉え、ムダや飾りを省いた低価格車として登場した。
ターゲット層を女性ドライバーに絞り、1979年に47万円という低価格で発売された初代アルトは、当時低迷していた軽自動車市場を復活させ、今日の軽自動車の地位を確固たるものにした、歴史的名車だ。
主要諸元
寸法:3195×1395×1335
ホイールベース:2150mm
重量:545kg
定員:2名/4名
駆動:前輪駆動
エンジン:2サイクル水冷3気筒ガソリン
排気量:539cc
価格:47万円
■スバル・レガシィ(1989年/昭和64年・平成元年)
「名は体を表す」と言うように、“遺産”を意味する名を持つクルマが歴史遺産車に登録された。昭和の終わり、そして平成の始まりの年となった1989年に誕生した初代レガシィは、富士重工業(現SUBARU)の世界戦略車として世に送り出された。
走りの質の向上を目ざしたイノベーションから生まれ、ステーションワゴン市場を開拓するとともに、水平対向エンジンやAWD(オールホイールドライブ)技術、その後のスバル独自の基幹技術を確立した、歴史的名車だ。
主要諸元
寸法:4600×1690×1500mm
ホイールベース:2580mm
重量:1350kg(5MT車:1310kg)
定員:5名
駆動:4WD
エンジン:水平対向4気筒DOHC
排気量:1994cc
価格:247万7000円(MT車:233万2000円)