AFC(アジアサッカー連盟)は12日、マレーシアのクアラルンプールにて、「AFCスペシャルエリートユースアワード2024」を開催。U−16日本代表を率いる廣山望監督が男子部門のユースコーチ・オブ・ザ・イヤーを、U−20日本女子代表の岡本三代コーチが女子部門のユースコーチ・オブ・ザ・イヤーを、そしてユースリーグ・オブ・ザ・イヤーを高円宮杯JFA全日本U−15サッカー選手権大会が受賞した。
AFCスペシャルエリートユースアワードとは、アジア内の育成部門における表彰で、昨年に続いて2年連続3度目の開催。昨年は全5部門を日本が独占していたが、今回日本勢が表彰されたのは3部門。男子部門のユースアカデミー・オブ・ザ・イヤーにはベトナムのPVFアカデミーが、女子部門のユースアカデミー・オブ・ザ・イヤーには中国の蘇州フットボールセンターが輝いた。
男子部門のユースコーチ・オブ・ザ・イヤーに輝いた廣山監督は、現役時代にジェフユナイテッド千葉や東京ヴェルディで活躍しただけでなく、ブラジル、パラグアイと南米を渡り歩き、ポルトガルのブラガやフランスのモンペリエでもプレー。日本代表としても国際Aマッチ通算2試合に出場した。2012年の現役引退後、JFAアカデミー福島の各年代で監督を務めたほか、2017年にはU−15日本代表のコーチも兼任。2019年からはU−17世代のコーチを務め、昨年には森山佳郎監督(現:ベガルタ仙台)の下、コーチとしてAFC U17アジアカップ2023の優勝とFIFA U17ワールドカップインドネシア2023のラウンド16進出に貢献した。現在はAFC U17アジアカップサウジアラビア2025予選を戦うU−16日本代表を率いている。
受賞に際し、廣山監督は次のようにコメントを発表している。
「この受賞は大変名誉なことであり、私のキャリアを支えてくれたすべての人に感謝したいです。どれほど長く監督を続けようと、変わらない信念があります。それは、今指導している選手たちを最も誇りに思うということです。彼らが日々成長していく姿を見ることが、私の最大の喜びであり達成感です」
女子部門のユースコーチ・オブ・ザ・イヤーに選出された岡本コーチは、現役時代に鈴与清水FC(※当時)や岡山湯郷Belleなどで活躍。現役引退後は各年代別日本女子代表のコーチを務めただけでなく、セレッソ大阪堺レディース(※当時)やタイ女子代表/U−20代表で監督を歴任した。2023年に日本へ戻り、今夏に開催されたFIFA U−20女子ワールドカップコロンビア2024では、コーチとしてU−20日本女子代表(ヤングなでしこ)の準優勝に貢献していた。
岡本コーチは受賞を受けて、次のようにスピーチで言葉を紡いだ。
「私は、女子サッカー界の発展に貢献したすべての監督を代表してこの賞を受け取ります。JFAは様々なナショナルチームの強化、ユース育成の強化、コーチングコースの充実に努め、女子サッカーの発展のために三位一体となって取り組んでいます。サッカーが私たちにもたらすさまざまな恩恵、具体的には身体的な健康の維持から、心の広がり、社会の豊かさまで、その恩恵の大きさをこれからも訴え続けていきたいと思っています」
また、1989年に第1回大会が催され、2018年以降は現在の名称となっている高円宮杯JFA全日本U−15サッカー選手権大会には、実に7000以上もの部活動・クラブチームが登録されており、170チームが9つの地域のリーグ戦に参加。毎年12月には32チームによる全国大会が開催される。AFCは「高円宮杯JFA全日本U−15サッカー選手権大会は、9つの地域の中学校やクラブチームが参加し、JFAに加盟する各地域のサッカー協会と緊密に連携することで、安定した運営と幅広い参加を可能にしている」と評価した。