1966年の静岡一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)の再審公判で、袴田さんの名前が英字で書かれた支援者らのバッジを外すよう裁判長が命じるなどしたのは違法として、支援者ら3人が13日、国に計330万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
提訴したのは、支援者の清水一人さん(76)と弁護人だった小川秀世弁護士ら。
訴状によると、4月24日の再審公判で、清水さんが英字で袴田さんの名前が入ったパーカーやバッジを身に着けて傍聴しようとした際、裁判所職員が制止。バッジを外させられ、パーカーの名前の部分にテープを貼られた。同じバッジを着けていた小川弁護士も裁判長から外すよう命じられた。
また、原告の鈴木賢・明治大教授は2023年6月8日、同性同士の結婚を認めない現行法が違憲かが争われた訴訟の判決を傍聴した際、靴下の虹色の柄を隠すよう命じられた。
裁判所法は職務執行が妨げられる場合などに裁判長が必要な命令を出せると定めているが、3人は問題とされた衣服などの着用が職務を妨げることはなく、命令は違法だと訴えた。