お笑いコンビ・千鳥がMCを務める、Amazon Originalの新番組『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ』。見事に優勝したのは『M-1』(ABCテレビ・テレビ朝日系『M-1グランプリ』※以下『M-1』)優勝者同士の高比良くるま(令和ロマン)(※高=はしごだか)&野田クリスタル(マヂカルラブリー)だった。このほど、インタビューを敢行し、胸の内に迫った(※本記事は『最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ』全話のネタバレを含みます)。
【動画】くるま&野田『THEゴールデンコンビ』舞台裏を激白 その日限りの“新コンビ”に優勝賞金1000万円が与えられる、インパクト大の番組が誕生。笑いの最前線で活躍する実力派芸人たちが、1日限りのオリジナルコンビを結成し、「最強新コンビ=ゴールデンコンビ」の座をかけ、襲い掛かる難易度MAXのお題に即興コントで立ち向かう、究極のお笑いサバイバル・バトル。ステージごとに観客200人が“一番面白くないコンビ”に投票して脱落していく超過酷ルールの下、試されるのは、瞬発力、アドリブ力、破壊力といった“笑いの総合力”とコンビとしての“チームワーク”となる。
■主人公のような優勝劇 手強かったコンビも明かす
――お2人もおっしゃっていたように「主人公」のような優勝劇でした。
【くるま】『ジャンプ』(集英社『週刊少年ジャンプ』)を読んでいるような感覚になると思います。友情・努力・勝利、全部入ってます。
――敗者復活に回ることは想定していた?
【野田】絶対嫌でしたよ!
【くるま】これまでのステージではお金がかかっていて、月面のセットがせり上がったり、病院がせり上がったりした後に、なわとびをぶん投げられましたから。あまりに敗者。
【野田】敗者席も敗者すぎ。
【くるま】津田(篤宏/ダイアン)さんとか、体壊したんじゃないですか?普通になんか腰とか痛めてましたよ(笑)。狭いとこにこう…ずっと。永野さんも含めて、ガヤの声が届かない、観客には見られているから、気は抜けないというか。
【野田】絶対あくびとかしてると思うよ。
【くるま】津田さんはずっと、ゴルフの素振りしてました。舞台上から、何回も見ましたから。
【野田】(ポスターに目をやって)見てください。唯一、津田さんと永野さんの2人だけ自分たちのギャグやってますよ。テレビを否定しているかと思ったら1番テレビしてる。Mr.テレビ。唯一自分たちの求められていることをやっている。
【くるま】高齢ですから。永野さん、老害じゃなくて『老』ですよ。毒舌とかじゃないんですよ。50歳になったら、あぁなるんですよ。
――手強いコンビ?
【野田】堂前(透/ロングコートダディ)・平井(まさあき/男性ブランコ)コンビですね。手強いとかいうレベルではなくて、普通にいけばここが優勝するだろうなって。
【くるま】賞レースもバリバリ出ていて。即興も『座王』(関西テレビ)とかでも強いし。『有吉の壁』(日本テレビ系列)とか『THE ゴールデンコンビ』にこれに近い…なんて言えばいいですかね。映画で言うと、アカデミー賞の前哨戦を勝っていて、最有力みたいな感じ。じろうさん(シソンヌ)と長田さん(チョコレートプラネット)も、これに近いフォーマットの番組での実績が豊富にあるので。
【野田】ホリケンさん(堀内健/ネプチューン)と屋敷(裕政/ニューヨーク)のコンビは、どう転んでもウケるので、この大会中にいいシステムを作ったなという感じがありました。明確にツッコミがいて助かっているのって、ホリケンさんのコンビだけじゃないかな?割とコントなんで。
【くるま】ショートコントで、1ボケ1ツッコミで終わりだったら、ツッコミが必要ですけど、オチが必要っていうのが、あんまり説明されないけど、面白いところじゃないですか?下がパカッと開いたり、暗転したりっていうのがないので。
■冒頭からハプニング「危なかった、反省です」 敗者復活の決め手も振り返る
――ストレッチャーから落ちるというハプニングからのスタートでしたが…?
【野田】振り返れば振り返るほど、危なかったなと。反省です。
【くるま】よくぞ無事でっていう。頭から落ちたんですけど、ラグビーを中高6年間やっていたので首が強くて頑丈なだけです。あれから始まって、やっぱり結局体強ぇヤツが勝つっていうのが最後証明されたというか。収録も12時間あって、いろんなハプニングがありましたけど。あの落ちた瞬間は、本当にちょっと邪心ですけども「ティザーで使われるだろうな」って。さすがに「あぁー残ったわ」って。ウケこそしなかったが、自分の頭の中で「予測不能のバトル!」っていう(声が)聞こえて。
【野田】テレビに出るようになってから強くなったのは、ティザー意識だよね。
【くるま】テロップの1個先ですよね。
【野田】『有吉の壁』の時も、やっぱ1本ぐらいはティザー用を意識しているので。
――ターニングポイントになった部分は敗者復活?
【野田】実は、その前あたりが自分たちの中でも、けっこう難しかったなというのがあって。第4ステージの学校の中で、監視カメラを使ってやる企画の時に、実際はその次で脱落したんだけど、あそこで脱落したなと思ってました。それまでずっと上位にいて、安定感あるコンビだなと思われていたと思うんですけど、あの時に「あれ、実はマズいところがあるのか」と思われたと思うんです。それが引き継いじゃったんだなと。落ちているとしたら、あそこ。
【くるま】あれ、みんな難しそうでしたね。お題ミスです。よくないですね。カメラの中にカメラがあって。あれがテレビで流れるんだったらいいんですけど、会場で見ているお客さんにとっては、見にくい感じがあったと思います。
――それから敗者復活を経て、見事に優勝へと駆け上がりました。
【野田】上がるんだって思って、ふわふわした状態でいけたから、逆によかったのかなと。
【くるま】敗者復活の時になんで上がることができたんだろうと考えた時に、なわとびをつかってモノボケをちゃんとやっていたからかもなと。お客さんもだんだん『THE ゴールデンコンビ』にのめり込んでいったというか、最初はたぶん本当に「面白いか面白くないか」「笑った」とかで、テレビの観覧のつもりでいたけど(長丁場ゆえに)マジでお客さんもしんどいじゃないですか?4〜5時間経ってくると、ちゃんと評価しようっていう気持ちになってきて。敗者復活で、せいやさん(霜降り明星)がものまねをしていて、めっちゃウケたんですけど、たぶんだから落ちたんだと思うんです。ちゃんとモノボケをしたのは、僕らくらいしかいなかったんじゃないかな。
【野田】それまで、1番つまらないコンビに投票する形だったから、お客さん的も負担はあったんだろなっていう。そこで、敗者復活で一番面白いコンビに投票するということになったので、応援したい人に投票するっていう流れになったと思います。
――吉岡里帆さんを迎えた第6ステージでは、お2人もリミッターが外れたような大暴れをされていましたが
【くるま】リミッターは外してないというか、あそこまでがオレのリミッター下にあるんですけど、すごくざわざわして。全員が調子崩して。あんな評価されるんだと、びっくりしました。
【野田】あれ、みんな被せたんですけど全部カットされたらしいですね。
■木村佳乃&中村倫也への感謝 ラストで見せた“吉本愛”「ずっよしです」
――木村佳乃さんと中村倫也さんを迎えた最終決戦では、大悟さん(千鳥)も賛辞を送られていました。どういう話し合いで、あの感じでいこうとなったのでしょう。
【野田】実は、あそこまでマッチョを残していたんですよね。くるまが「ここはシンプルにいった方がいいです」って言ってくれて。(オチ寸前で出てくるまで)「自分が(演技で)つなぐんで」って言っていたんですけど、つなげるんかいって(笑)。あれは本当にびっくりした。
【くるま】中村倫也さんに演技の話とかしてしまって「ここの流れでこの顔をしてほしい」とか、バカみたいに生意気なことを言っていました。
【野田】かかってたな(笑)。
【くるま】中村倫也さんとエチュードできたのは、めっちゃぜいたくな時間でした。中村倫也さん、大好きなんで。
【野田】オレは、ただ出てきて撃たれるだけだったので(笑)。
【くるま】いや、めっちゃオモロかったです(笑)。
【野田】2本目は、どっちも最高潮で、なんでも大丈夫っていう感じでした。
【くるま】木村佳乃さん、中村倫也さんもノリノリでやってくださって。木村さんも「笑っちゃわないか心配」とか言ってくださって。オレらが台詞を読んじゃうみたいなボケをやっていた時に、木村佳乃さんがそれを察して、体を入れてカンペを隠すみたいなことをしてくれたり。
【野田】そして、最後にドタバタやって終わるという、急に吉本新喜劇みたいなことを。
【くるま】吉本しちゃったなっていう(笑)。
【野田】最後、吉本興業でした。
【くるま】結局、あのにっこりマークを出してしまった。つい、吉本を出しちゃうんですよ。いないからな、こんなに愛社精神ある人。
【野田】「ずっよし」です。
――くるまさんは『M-1』連覇に向けて動かれていますが?
【くるま】それは、反対されていると思うんですけどね。吉本としては利益が大幅に減りますから。連覇したら、たぶん干されると思います。新しい王者を作らなかっただけで、とんでもない損傷ですもんね。
【野田】でも他社に取らせなかったっていう考えもあるかも。マヂカルラブリー以降、他社だったので。
【くるま】(去年は)弊社が取りました(笑)。
■Amazon Original『最強新コンビ決定戦 THE ゴールデンコンビ』概要
MC:千鳥(大悟、ノブ)
出場芸人
高比良くるま(令和ロマン)(※高=はしごだか)&野田クリスタル(マヂカルラブリー)
せいや(霜降り明星)&秋山寛貴(ハナコ)、
堀内健(ネプチューン)&屋敷裕政(ニューヨーク)
長田庄平(チョコレートプラネット)&じろう(シソンヌ)
澤部佑(ハライチ)&真栄田賢(スリムクラブ)
平井まさあき(男性ブランコ)&堂前透(ロングコートダディ)
サーヤ(ラランド)&KAZMA(しずる)
津田篤宏(ダイアン)&永野
番組サポーター:林瑠奈(乃木坂 46)
話数:全5話
高比良くるまの書籍『漫才過剰考察』(辰巳出版株式会社)発売中
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