独自の民族行事、集落ごとに言葉が違う…四国の最西端・佐田岬半島にある「愛媛県伊方町」の魅力とは?

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2024年11月17日 06:10  TOKYO FM +

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独自の民族行事、集落ごとに言葉が違う…四国の最西端・佐田岬半島にある「愛媛県伊方町」の魅力とは?
放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00〜15:50)。11月10日(日)の放送は、番組企画「音の風景印」の愛媛県・伊方町(いかたちょう)編をお届けしました。


(左から)宇賀なつみ、パーソナリティの小山薫堂



◆「音の風景印」が伝える“愛媛県伊方町”の魅力

“音”で楽しむ番組企画として、2023年にスタートした「音の風景印」。今回、当番組のマイクが訪れたのは、愛媛県伊方町です。ここは、四国の最西端、佐田岬(さだみさき)半島にある、自然と歴史が融合した魅力的なまちです。

佐田岬半島は日本一細長い半島で、宇和海(うわかい)、瀬戸内海(せとないかい)、豊予海峡(ほうよかいきょう)といった3つの海の恩恵を受けたおいしい食べ物の数々も自慢のひとつです。

今回、そんな伊方町を案内してくれたのは、今年で開局150周年を迎えた「瀬戸(せと)郵便局」で局長をつとめる、二宮尚吾(にのみや・しょうご)さんです。

二宮さんがまず案内してくれたのは、「佐田岬半島ミュージアム」です。館長兼学芸員の高嶋賢二(たかしま・けんじ)さんに、このまちの歴史について伺うと、「まだよくわかっていないところもたくさんあるのですが、海を通じて九州と中国地方といろいろと渡り歩いて培ってきた歴史がある場所です。いま、わかっているところでは、8,500年前の縄文土器が出ています」と解説。

伊方町の文化についてが、「やっぱり海に囲まれた半島ですので、海からいろいろなものを受け入れて、それぞれの地域のなかで育んできたというのがあって、集落ごとに言葉が違ったり、違う独自の民族行事をおこなっていたり、特にお盆の行事がすごく特徴的なのが多いです」と高嶋さん。

さらにお盆だけでなく、特徴的なもののひとつに挙げたのは、「三崎秋祭り」です。このお祭りでは、「獅子舞いが出たり、太鼓台(牛鬼と四ツ太鼓)が出たり、いろいろあるんですけど、もうひとつ、鹿踊りがあります。鹿のかしらを模したようなお面を、演じる人が頭の上に乗せて、お腹に太鼓をつけて歌いながら踊るという芸能があります」と説明します。

高嶋さんいわく、江戸時代に伊達のお殿様が宇和島に渡ってきたときに、東北地方で伝承されている「鹿踊(ししおどり)」がこのまちにも伝わってきたのだとか。

伊方町の魅力について伺うと、高嶋さんは「僕もよそから来た人間なので、伊方町の何を見ても珍しかったんですけど、(集落によって)言葉とかが違うので、各集落ごとに訪ねると面白いんですよね。そこがすごく魅力的です」と話していました。


風光明媚な伊方町



続いて話を伺ったのは、伊方町に伝わる伝統工芸のひとつ「裂き織り(さきおり)」に魅せられ、広島から移住してきたという橋田とよ(はしだ・とよ)さんです。

裂き織りとは、「古い布を裂いて、それを糸状にしたものを織る技法のことです」と橋田さん。通常の機織り(はたおり)は糸と糸で織り込むのに対し、裂き織りは「いらなくなった布を裂いて再利用するというところに特色があると思います」と言います。

そんな裂き織りを一目見たときに「惚れ込んでしまいました」と橋田さん。というのも、「私はそれまで、モノがリサイクルで蘇るのって、例えば、工場で化学薬品などを使って仕上げていく過程があるのだろうと勝手に思い込んでいたんですけど、裂き織りは本当に指先ひとつの力でモノが生まれ変わっていく工程を見て、カチコチになっていた自分のマインドが“ハッ”となるような、目からウロコのような感じでした」と当時受けた衝撃を振り返ります。


裂き織りを実演中の橋田とよさん



現在、このまちで工房「をへや」を営んでいる橋田さん。昔は、上着などの衣類として作られることが多かったという裂き織りですが、橋田さんは時代に併せてアップデートしています。

その理由について、「いまは、防寒着だとダウンやフリースなどもっと軽くてあたたかいものもありますので、正直、(従来の用途だと)実用性としては難しいのかなと考えました」と語ります。そこで橋田さんは、裂き織りでテディベアやタペストリーを作るなど、インテリアとして楽しめるものにも発展させています。


裂き織りで作られたテディベア



このまちに移住してみた感想を伺うと、「いつも用もないのに近所の方とかが来てくれたりして、すごく世話を焼いてくれます(笑)。とても居心地いいです」と笑顔をのぞかせます。特に食べ物がおいしいといい、「地元の方は、昔からなんですけど、おそらく自給自足の部分があって、自分で食べる野菜とか貝類、釣った魚などを持ってきてくれたりします。私は全然農作業はしていないんですけど、(食材を)いただくことが本当に多くて。塩といいオリーブオイルがあったらすごく贅沢な食卓になります」とも。

スタジオで、裂き織りで作られたランチョンマットを手にした小山は、「結構、伸縮性がありますね」とその手触りにビックリ。宇賀も「すごく丈夫で、しっかりしている」とうなずくと、小山は「(裂き織りで)暖簾を作ってもオシャレそうですよね」と見入っていました。

また、この日の「音の風景印」では、ほかにも、郷土料理に詳しい小林文夫(こばやし・ふみお)さんや愛媛県立三崎高校の皆さんの声など、“音”で愛媛県伊方町の魅力をお届けしました。

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11月10日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年11月18日(月) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00〜15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/

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