20日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比22.62ポイント(0.12%)安の19641.05ポイントと3日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が16.55ポイント(0.23%)安の7065.66ポイントと4日ぶりに反落した。売買代金は604億6900万香港ドルとなっている(19日前場は633億3810万香港ドル)。
投資家の慎重スタンスが強まる流れ。東欧地域の地政学リスクがくすぶっているほか、米国の対中圧力強化が不安視されている。トランプ次期米大統領は19日、通商・産業政策を担う商務長官に、高関税を支持するラトニック氏を指名した。次期政権の主要ポストには、対中強硬派が並ぶ。トランプ氏の公約には、中国からの輸入品に一律60%の関税をかけるとの内容も含まれている。
ただ、下値は限定的。中国の追加経済対策に対する期待感で、ハンセン指数もプラス圏で推移する場面があった。朝方公表された実質的な政策金利となる11月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は予想通り据え置かれたが、年内に預金準備率が引き下げられるとの期待は依然として続いている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、即席麺・飲料大手の康師傅HD(322/HK)が3.3%安、中国スマートフォン大手の小米集団(1810/HK)が2.7%安、旅行サイト中国大手の携程集団(9961/HK)が2.4%安と下げが目立った。
セクター別では、中国の不動産が安い。広州富力地産(2777/HK)が4.5%、中国奥園集団(3883/HK)が3.1%、融創中国HD(1918/HK)が2.9%、旭輝(884/HK)が1.5%ずつ下落した。
自動車セクターも総じてさえない。蔚来集団(9866/HK)が3.6%安、長城汽車(2333/HK)が3.5%安、吉利汽車HD(175/HK)が2.4%安、小鵬汽車(9868/HK)が1.4%安で引けた。
半面、医薬セクターはしっかり。翰森製薬集団(3692/HK)が4.4%高、中国生物製薬(1177/HK)と百済神州(6160/HK)がそろって4.3%高、康希諾生物(6185/HK)が3.6%高、永泰生物製薬(6978/HK)が2.2%高で前場取引を終えた。
他の個別株動向では、オンラインゲーム事業・アプリケーション・ソフト開発の金山軟件(3888/HK)が8.9%高。同社の7〜9月期決算は利益15倍に拡大した。新興ハイテク株が物色され、ハンセン科技(テック)指数は0.03%逆行高している。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.55%高の3364.55ポイントで前場の取引を終了した。医薬株が高い。素材株、不動産株、軍事関連株、消費関連株なども買われた。半面、銀行・保険株は売られている。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)