ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『仕事選びの基準』について語った。
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★今週のひと言「節操なく仕事を受けてる? 俺には俺の基準があるのだ」
俺の本業はラッパーだ。かつては趣味だったが、いつの頃からラップがなりわいとなった。
それでその生活は今も続いている。同時にラップによって俺自身のキャラクターが世間に認められたというか、見つけられたというか、ラッパー呂布カルマとしてではあるが、ラップ以外の仕事が増えたのがここ数年だ。
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そのラップ以外の仕事で俺をなんとなく知った人たちは、俺をラッパーだとは認識していない人も多い。何せ俺には歌番組で歌えるようなヒット曲もなければ、バラエティ番組でラップをすることもないからだ。
台本や演出上、自己紹介や一発芸的にフリースタイルラップを求められることもあったが、すべて断ってきた。
だからなんとなく見ている人たちにとっては、何をやってる人だかわからないのであろう。それはそれでいい。
一方、ラッパーとしての呂布カルマをもともと知っていた人たちや、ラッパーとして認識している人たちからは、「仕事を選べよ」「なんでもやるヤツ」と言われることがある。
もちろん仕事は選んでいる。今回はその仕事選びの基準についてだ。
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一番にまずは金だ。
仕事だからね。金が良ければよほどのことでない限りはやる。極端な話、1億円もらえるならうんこを......やめとこう。
よく魂を金で売っただのなんだの言われるが、おまえの魂に値段がついてからほざけ。
次に面白いかどうか。これは説明が難しい。
何せ面白いか否かの判断は俺の主観でしかない。当たり前だが、つまらなそうでギャラも安ければやるわけはない。受けた仕事が結果的につまらない仕上がりになってしまったとしても、オファーを受けた段階では、俺は面白くなる可能性を感じているということだ。
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グラドル絡みや助平仕事もこの枠に入る。
世の中のむっつりフニャチン野郎の中には助平仕事を非難する向きもあるが、助平は隠さず、向かってくる助平仕事に向き合い、受け止めるのが男でありヒップホップだと思っている。
女は好き勝手言っていればいい。最初からおまえらには関係ない。
そのほかにも俺は多趣味だし、興味を持っている事象について発信すると、不思議とそれが仕事につながっていくことが多く、もしかするとそれゆえに節操なくなんでもやっているように一見映るのかもしれない。
そして、最も理解されにくいのが付き合い仕事だ。
過去に仕事をご一緒していたり、恩がある相手が新しいプロジェクトを始めたり、部署を移ったりして、再び俺に仕事を振ってくれることがある。
それが前回とは違う内容だったとしても、そこは人同士の付き合いで受けさせてもらう場合だ。
これはよっぽどナシではない限りは受けさせてもらう。仕事の内容以前にその相手からの恩に報いたいというモチベーションだが、仕事だけを見た他人には、その裏側はわからなくて当たり前だ。
俺はラップを書く以外に自分発信でやる仕事はないのだが、ありがたいことにいろんな人がいろんなことにチャレンジさせてくれる。
自分ひとりでは絶対に思いつきもしないようなことがほとんどだ。
今こうして憧れの週プレで毎週自分語りをさせてもらっていることだってそうだ。
この先も芯はブラさずも柔軟にたくさんの恥をかいていければ幸せだ。
撮影/田中智久