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事件ごとに実行役らが入れ替わる「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」による事件で、全国の警察は今年4〜10月に4472人(暫定値)を摘発した。警察庁のまとめで判明した。うちSNS(ネット交流サービス)を通じて「闇バイト」に応募したのは4割にあたる1820人だった。
罪種別では、銀行口座の譲渡など犯罪収益移転防止法違反が1515人で最多。詐欺1284人▽麻薬取締法違反などの薬物事犯427人▽窃盗398人▽犯罪収益の隠匿など組織犯罪処罰法違反170人▽強盗133人▽入管法違反89人――と続いた。風営法違反(76人)や恐喝(57人)、賭博(49人)もあった。
トクリュウでは「シグナル」など秘匿性の高い通信アプリを使うケースが多く、主導する指示役を摘発するのは難しい。そのため今回もほとんどが末端の実行役らとみられる。
X(ツイッター)などのSNSで投稿された闇バイトの募集に応じた実行役らの割合は、犯罪収益移転防止法違反が65・2%(988人)で最も高かった。犯罪で得た収益の振込先となる口座を開設して売り渡すのにSNSが悪用されているとみられる。
ほかは、組織犯罪処罰法違反41・2%(70人)▽詐欺38・3%(492人)▽窃盗31・7%(126人)▽強盗25・6%(34人)――などだった。
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また、強盗や窃盗、住居侵入などの事件は、2021年9月〜今年10月に22都道府県で102件発生。266人が摘発された。これらの実行役も闇バイトを通じて集められるケースが多いとみられる。【山崎征克】
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