陽気な高座で人気だった落語家桂雀々(かつら・じゃくじゃく、本名松本貢一=まつもと・こういち)さんが20日、肝不全のため死去した。64歳。所属事務所が公式サイトなどで22日に発表した。葬儀は近親者で行い、後日「お別れの会」を開く予定。公式サイトなどで「桂雀々は、糖尿病からの肝不全により、去る11月20日、64歳で永眠いたしました。入院中も最後まで高座復帰を目指し療養に努めて参りましたが、残念ながらその願いは叶いませんでした」と伝えた。
雀々さんは大阪出身。77年、桂枝雀さん(99年死去)に師事した。卓越した話術、表情や全身を駆使したアクションで、爆笑落語を確立した師匠のイメージを色濃く受け継ぎ、声を張り上げ、汗をだらだら流しながらの熱演で知られた。
頭の長い男が登場する落語「手水回し」は、自身の長い顔を生かした名人芸でもあった。明石家さんま、桑田佳祐、やしきたかじんさん、上岡龍太郎さん、横山ノックさんら多彩な面々と親交を重ね、仕事でも共演。51歳だった11年に「リセット」を掲げ東京へ拠点を移していた。
互いの妻が姉妹という“義兄弟”の桂ざこばさんが亡くなって、わずか5カ月。体の芯まで上方らしい噺家(はなしか)が、またひとり旅立った。
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