【写真】キュートな笑顔からドキッとする大人の表情まで! 片岡凜、撮り下ろしショット
◆明るくあっけらかんとした千景役は「ちょっとうれしかった」
本作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と現代の東京を舞台にした、70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語。片岡が演じる千景は、いづみの娘である鹿乃子(美保純)の一人娘。医学部現役合格を果たすなど自慢の娘だが、母親に決められた人生を生きることに不満を抱え、ホストにハマるなど家族に波風を立てる。
今回が初の日曜劇場出演となる片岡。「両親もよく見ていた歴史的な枠に出演させていただけるとのことですごく光栄でした」と喜びを明かす。
台本を読み、「ものすごく壮大なお話だなと思いました。キャストもそうですし、すごくスケールが大きくて、これが映像化されることにワクワクしました」。野木作品への出演は初めて。「すごくキャラクターを大事にしてくださっているというのがセリフを読んでいても感じました。そのキャラクターを演じられている役者さんにもすごく思いやりがあるというか、ちっちゃい感情の揺れ動きを大事に描かれているなと感じました。私が演じる千景もホストクラブ通いがバレた後に、ちょっと両親に反抗的な気持ちもありつつ反省もしていたり。小さい心の揺れ動きが脚本にいっぱい書かれてあったので、かわいらしいなと読んでて思いました」と印象を語る。
演じる千景について本作の新井順子プロデューサーからは「明るくあっけらかんと常にしていていいよ」と言われたそう。「今までの役は問題を抱えている役が多かったので、内にこもりやすいとか、考えすぎちゃうような役が多かったんですけど、今回は常にポジティブでいたい役なので、あまり考えすぎないように、もうちょっとシンプルな子にしようと意識しました。今までにないタイプの役でちょっとうれしかったです(笑)」。
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神木隆之介、宮本信子、尾美としのり、美保純とそうそうたる顔ぶれがそろう現代パート。「すごく現場が温かくて。キャストの皆さんはじめスタッフさんも気さくに接してくださるので、すごく自然に時間が流れている感じがあります」と気負わずに役と向き合えている。「みなさんお芝居しているようでしていないみたいな感じがあって。ご一緒させていただいてすごく勉強になっています」と明かし、「私は昭和のエンタメに興味があるのですが、尾美さんや宮崎吐夢さんに当時のお話をいろいろお聞きできたのも楽しかったです」とコミュニケーションも積極的に取れている。
共演シーンが多い玲央を演じる神木の印象を尋ねると、「お会いする前は、ちょっとミステリアスな方かなと思っていたんですけど、実際にお会いしたらすごく柔らかい方でした。お芝居が柔軟な方だなという印象が強いです。ご一緒させていただいていて、セリフがセリフ通りじゃなくアドリブが入ったり、台本に書いてない部分で大胆にお芝居をされている印象を受けました」との答えが。「カットがかかるとパッと人が変わる印象がありますね。あれ?って思うくらい周りのオーラが別人になって、すごいなと思って見ています」と刺激を受けている様子。
千景のいとこ・星也を演じる豆原一成(JO1)については「ご一緒していて、いい意味で力んでいない感じがすごく心地いい」そうだ。「1人で台本を見ながら考えているよりも、豆原さんが実際にそういう状態で一緒にやってくださると、変な見せ方や千景をこうしたいなというのを全部忘れられて、よりすっとキャラクターに入れるような感じがあって助かっています」。
片岡が登場する現代パートと対比して描かれる昭和の端島パート。神木、斎藤工、杉咲花、池田エライザ、清水尋也、土屋太鳳が演じる濃く繊細な人間模様に惹きこまれる視聴者も多いが、片岡は端島のストーリーをどのように見ているのだろう?「もう大変なことになってますよね(笑)。台本でも読んでいるのですが、実際に映像になって観るとキャラクターがより分かって、どうなるんだろう?と一視聴者として楽しんでいます」。複雑な何角関係を紡ぐキャラクターの中で、応援したくなる人物を聞くと、「個人的に池田エライザさんのお芝居が好きなんです。色気があって素敵だなと思って。リナさん頑張ってください!と思ってます」と笑顔を見せた。
◆1つじゃない私の顔を皆さんに見ていただきたい
金曜ドラマ『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(2022年/TBS)でのデビューから2年。ここまでの道のりは「早かったです。1つ1つ作品をやらせていただいて、積み重ねてもう2年かという感じです」と振り返る。本作の新井P、塚原あゆ子監督とはデビュー作に続いての顔合わせ。「またご一緒させていただけるということに対してすごくうれしかったです。デビューの作品と今で、何か成長した姿をお見せできたらなとも思いました」と特別な思いで撮影に臨んだ。
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今年は、『虎に翼』でヒロインが対峙する少女・美佐江を怪演、『嘘解きレトリック』では、人形のような見た目を持つ名家の一人娘を演じ、その美しさも絶賛を集めた。話題作への出演が続き、周囲からの反響も大きい。「本当にうれしいですしありがたくて。私のお芝居をたくさんの方が見てくださって、何か言ってくださることは感謝でしかないです」と笑顔。「やっぱり朝ドラの印象が強いみたいで、月9に出演させていただいたんですけど、『来た、サイコパス』って書かれて、サイコパスが抜けないなって(苦笑)。街で声をかけられることも増えましたが、『凜ちゃん』じゃなく、『美佐江さん』と言われることがやっぱり多いですね。今回演じる千景は、初めてここまで開放した明るい子なので、また違った私を見ていただいて、どんな反応が寄せられるのか楽しみです」と期待を寄せる。
「小さいときは、女優さんというよりも表現者になりたかった」という片岡。夢がかなえられたと顔をほころばせ、「お芝居やお仕事の楽しさはデビュー前の想像以上」と充実した日々を送る。今後挑戦してみたい作品やキャラクターを尋ねると、「back numberさんの楽曲のような純愛ラブストーリーみたいな作品をやってみたいなって思います」と教えてくれた。
さまざまな謎や伏線も散りばめられている物語の行方が気になるが、「台本を読んでいるだけでも、涙が出そうになるくらいに、生きることや愛することに必死な様子が胸を打たれます。現代パートでは、人を愛するということに対してものすごく信用していない玲央がどう変化していくのか。千景も玲央と一緒に行動する中で、心境や取り巻くものがどう変化していくのか注目してほしいです」とアピール。「過去と現在のギャップや対比が描かれる中で、私が演じる千景にも何か役割があるんじゃないか、この作品に何か貢献できるのではないかと思いながら演じています」。
シール集めにハマっているという21歳らしい一面ものぞかせる片岡。「1作品ごとに違う顔を皆さんにお見せしたくて。朝ドラのイメージが強いかと思いますけど、サイコパスな面もあれば、今回みたいに明るい片岡凜もいたり、1つじゃない私の顔を皆さんに見ていただきたい」と語る。その言葉通り、今後もさまざまな作品で世の中を驚かせてくれることは間違いなさそうだ。(取材・文:渡那拳 写真:高野広美)
日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』は、TBS系にて毎週日曜21時放送。
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