兵庫県の斎藤元彦知事(47)が今月17日に投開票された知事選の広報やSNS戦略をめぐり公職選挙法に抵触する疑惑が出ていることについて、話題を取り上げた25日放送のTBS系「ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜」(月〜金曜午後1時55分)内での議論をめぐり、出演した識者から「視聴者の誤解を招く」とクギを刺される場面があった。
スタジオでは、司会の石井亮次や東国原英夫氏が、兵庫県内のPR会社の経営者が斎藤知事陣営の広報やSNS戦略を全面的に請け負ったという趣旨の記事をインターネットの投稿プラットフォーム「note」に投稿したことを議論した。
その途中、電話出演した国際弁護士の清原博弁護士が「みなさんに理解して欲しいことが1点あって、PR会社が、選挙のSNSについての広報活動の全般を任されること自体が問題じゃないですよ。任されること自体はあっても構わないけど、そこに報酬が払われるかどうかの問題だ、ということですよ。無報酬でボランティアで広報全般を任される分には何の問題もない」と指摘した。
石井に「無報酬だと寄付行為にあたらないんですか?」と聞かれると、清原氏は「誰から誰への寄付ですか?」「その寄付は違法ですか?」と石井に逆質問。ここで東国原氏が「会社が選挙期間中に、有償でやらなきゃいけないよね、というのを、無償でやった場合は、寄付行為になる可能性があります。もう1個は、従業員を使っている、この方達に有償だったのか、無償だったか、給与を払われたのか、これが寄付行為になるか、ならないか。もう1点は、その会社は県と関係があったわけですよね。事業を受注しているわけです。この関係性で候補者を応援するのはどうなのか、議論になる」と語った。
すると、清原氏は今度は東国原氏に「東さんに聞きたいんですけど、PR会社が知事側に寄付をすることは違法なんですか?」と問いかけ。東国原が「選挙期間中で、PR会社が選挙運動に絡んだ場合、普通だったら有償だよね、ギャラが発生するよね、(ということ)を無償でやった場合、これは微妙な感じがします」と返した。
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清原氏は「微妙であるならば、それを違法としちゃうのは間違いですよね。それをしっかり説明しないと見ている方は混乱するわけですよね」と語ると、石井の「言い切ってはいけないということですか?可能性があるという言い方」の確認に「はい。ですから、何が違法か、という事を議論ではっきりさせないと見ている方が混乱すると思いますので」とした。
清原氏はその上で「私の見解を言うならば、PR会社が広報全般を任されたとしても、そのこと自体は違法ではなく、そこに知事側からPR会社に報酬が払われたら公職選挙法違反でしょ、ということですよね。逆に無報酬でPR会社が広報全般をやったとしても、それはなんら法律違反にはならないと私は思っております。そこについての違法性があるとするなら、その違法性の根拠を示さなきゃ、議論としてはおかしいんじゃないですか、ということ」とコメント。「収賄の疑いがある、という話があるとしても、収賄だとまた話が違ってくる。例えばPR会社の社長が、斎藤知事が再選されたら『この委員会のポストが欲しい』とか、『こういう事業の許認可が欲しい』とか、そういう具体的なお願いがあって、そして斎藤知事が裏取引に応じて、という、そういった双方の裏取引があっての無報酬でのサービスだったら収賄だけども、そういう話が何もない段階で、これは収賄の疑いがある、だから犯罪だ、なんていう議論をすること自体も、視聴者に対してものすごく誤解を与えると思うから、何の根拠があって収賄とおっしゃるのか、そこをしっかり示さないといけないと思う」と語った。
東国原氏は「僕は収賄とは言っていない。ただPR会社の社長が投稿の中で、また一緒に仕事をしましょうという、におわせ的に、ニュアンス的に非常に問題なのかな、と。つまり、選挙を手伝ってくれたから、また県から発注しますよ、というのを示唆しているのかな、という議論になるんじゃないか」と説明。石井も「清原さん、あくまでも、現段階では無償でPR会社が選挙運動を手伝ったら、問題ないという認識で良いですね?有償だったらダメですよ。実際に70万円払われているが、それは運動ではなくて(ポスター)制作費で、知事サイドは言っている、という段階」と確認すると、清原氏は「その通りです』と応じた。
その上で清原氏は「今後のポイントは報酬が払われていたかどうか」と指摘。斎藤知事がPR会社にポスター制作費として70万円を払ったと主張していることについて「それが真実かどうか、我々はわからないから、契約書なり請求書なり見積書なりがあるならそれを出して、報酬をここではもらったけど、ここはボランティア、ということをはっきりしてもらいたい、ということと、そこがはっきりしない限りは、捜査が入る可能性は否定できない」と解説した。
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