共同通信が生稲晃子外務政務官がおととし8月、靖国神社を参拝したとする報道は誤りだったと認めた問題。林官房長官はきょう、「極めて遺憾」だと異例の言及を行いました。
【写真を見る】林官房長官「誤った報道が混乱を生じさせ、極めて遺憾」 生稲晃子外務政務官の靖国参拝の誤報に“異例の言及” 外交にも影響か
おととい、新潟県佐渡市で行われた「佐渡島の金山」の追悼式。この追悼式は世界遺産への登録の受け入れにあたり、“朝鮮半島出身者が戦時中に強制労働させられた場所だ”と主張する韓国側が開催を求めてきたもので、日本政府の代表として生稲晃子外務政務官が出席しました。
生稲晃子 外務政務官
「朝鮮半島から来られた労働者の方々は危険で過酷な環境の下で、困難な労働に従事されました」
韓国側が求めていたはずの追悼式ですが、韓国の政府関係者や遺族らは参加を見送り、翌日、独自に追悼式を開きました。
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韓国の外務省は「追悼の辞の内容などが世界遺産登録時に合意した水準に及ばなかったことが重要な考慮事項だった」としていますが、韓国メディアは生稲氏がおととし8月、靖国神社に参拝していたと報じられたことが不参加の理由にあると指摘しています。
ところがきのう、事態は急転します。生稲氏が靖国神社を参拝していなかったことが明らかとなったのです。
共同通信のコメント
「(靖国神社に)生稲氏は参拝しておらず、誤った報道だった。日韓外交に影響した可能性がある」
共同通信は、生稲氏がおととし、靖国神社を参拝していたという報道は誤りだったと記事を訂正し、謝罪しました。これに日本政府は…
林芳正 官房長官
「事実に基づかない報道がなされたこと、また、『佐渡島の金山』追悼式について、そうした誤った報道が混乱を生ぜしめたと認識。極めて遺憾であります」
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不快感をあらわにした林官房長官はきょう、共同通信に対し、事実関係や経緯の説明を求める考えを示しました。
日韓関係が改善傾向にあるなか、両政府とも、不必要な対立を深めず、個別の事案として対処する考えを示していますが、歴史認識をめぐる問題の解決にはまだ時間がかかりそうです。