1972年ミュンヘン五輪、平和の祭典を襲った人質テロ事件を追体験する『セプテンバー5』日本公開決定

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2024年11月27日 08:00  ORICON NEWS

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映画『セプテンバー5』(2025年2月14日公開)(C)2024 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
 五輪史上最悪の事件として、今もなお語り継がれている1972年ミュンヘン五輪で起きた人質テロ。この事件と対峙した人々の1日を圧倒的緊迫感の90分間で描いた映画『September 5(原題)』が『セプテンバー5』の邦題で来年(2025年)2月14日より全国公開される(配給:東和ピクチャーズ)。

【動画】海外でも注目の『セプテンバー5』日本版予告編

 1972年9月5日ミュンヘンオリンピックでの、パレスチナ武装組織「黒い九月」による、イスラエル選手団の人質事件。事件発生から終結まで、その緊迫にあふれた一部始終は、当時技術革新がめざましい衛星中継を経て全世界に生中継された。しかし、全世界が固唾(かたず)を飲んでテレビにくぎ付けとなったその歴史的な生中継を担ったのは、なんとニュース番組とは無縁のスポーツ番組の放送クルーたちだった。

 本作は、突然、世界が注目する事件を中継する事となったTVクルーたちの視点から、エスカレートするテロリストの要求、錯綜する情報、冷戦下で機能しない現地警察、テロリストが定めた期限は刻一刻と迫っていた。

 全世界がテロリズムの脅威を、生中継を通して初めて目の当たりにしたその日、放送のルールが未だ明確化されていない時代に、<報道する事の自由><報道される被害者の人権><報道がもたらす結果の責任は誰にあるのか>といった現代のSNS社会にも通じる、私たちの倫理観を試す問い掛けが投げかけられる。

 本作がいち早く上映された今年の「第81回ベネチア国際映画祭」では、圧倒的な称賛を受け、一気に賞レースの筆頭候補に上り詰めた。米メディア「Hollywood Reporter」のアカデミー賞ノミネーション予想では、作品賞、助演男優賞、助演女優賞をはじめ、主要4部門でのノミネートが予想されている。

 緊迫感にあふれた傑作の脚本・監督を担当したのは、新鋭ティム・フェールバウム。終末世界を舞台にした『HELL』など、ジャンル映画で培ったサスペンス的演出技術を、社会派の作品に見事に融合させた手腕は賞レースの有力候補との声が上がっている。

 さらに、見事な演技のアンサンブルを織りなすキャスト陣には、すでにアカデミー賞ノミネート候補と称される『ニュースの天才』でゴールデン・グローブ賞ノミネートのピーター・サースガードと、『ありふれた教室』のドイツ人俳優レオニー・ベネシュ、そして『パスト ライブス/再会』のジョン・マガロほか、名優の呼び声高いバイプレイヤーたちが集結している。

 “セプテンバー11”(アメリカ同時多発テロ)へとつながる、メディアでの拡散を強く意識した現代のテロリズムや、”今“まさに複雑化する国際情勢の中で、本作の描く、報道の自由と責任の在り方は、SNSの普及で人類全体がメディアと化した現代社会において、新たな意味を持つメッセージとして、観る者すべてに深く問い掛けてくる。

 予告編は、ミュンヘンオリンピックのスポーツ中継を手掛けるTVクルーたちの様子で幕を開ける。活気のある「平和の祭典」のさなか、銃声と思わしき音でクルーたちの顔に影が差す。「武装したテロリストがイスラエル選手団を襲った」「選手が人質に取られている」という警察発表があると事態が一変。当時、事件現場から100キロ以内にいたのは、ニュース番組とは無縁の、スポーツ番組の放送クルーのみ。予測不可能な事態に混沌とした現場を全世界が生中継で見守る中、迫りくるタイムリミットと報道する者の葛藤、手に汗握る圧倒的緊迫感が伝わってくる映像となっている。


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このニュースに関するつぶやき

  • テロリストがこういう事件を起こしてそれと戦ってきた歴史があるのにテロリストは存在し続ける。歴史に学ばないってのはこういうことなんだろうね。
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