年末の大掃除を前に部屋の片付けや断捨離をする人が増える一方で、春に向けて一人暮らしを始める人はその準備を始める段階かもしれない。そんな中、単身者に向けた中古家電(リユース品)などのレンタル(リース)も注目を集めている。そこで、東京都町田市で「町田リサイクル1万円 SHOP」を経営している稲田泰生さんに最近のリサイクル事情やリユース家電のレンタルがなぜ人気なのか、背景を聞いた。
大掃除や引っ越しでリサイクルショップ利用者が急増
「これからの季節はリサイクルショップを利用する人が多くなるんですよ」と語る稲田さん。稲田さんがこの道に入って十数年。23歳で独立し、2020年3月には法人化し、いまのリサイクルショップを経営して来た。
「リユース・中古市場はコロナ禍でも成長を続け、私が初めたころよりショップ数もかなり増えています。また近年、SDGs の推進でリユース品の注目は高まってもいますし、捨てるよりもモノを再利用した方がいいという考え方は一般に広がりを見せていると思います」
そのため、これから大掃除や引っ越しが多くなる時期にはリサイクルショップは買い取りの依頼が急増。一方で、購入したいお客様も増えるのだという。
リサイクルショップと一口にいっても、大きく分けると生活必需品と嗜好品に区別できる。稲田さんのショップは家具や家電など生活必需品が主体。特に家電は壊れたからリサイクルショップに出すというよりは修理せずとも使えるものが大半で、買い替えや引っ越しのために売りに出すというパターンが多いという。
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家電のレンタルはリユース品が人気
家電などかなりの出費となる。そこで「必要な人に必要なリユース品を届けたい」と考えていた稲田さんは2021年3月から大手の電鉄会社とタッグを組み、「リユース家電のレンタル事業」をスタートさせた。
家電は新品だとかなりの費用負担になるが、リユース品になるとお手軽な価格に。例えば、「リユース家電のレンタル3点セット(冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ)」でレンタル費は1カ月 4,200円(税込)。しばりは6カ月以上契約することだが、レンタルの魅力は壊れたりすれば、無償で交換してくれるところだ。そのため、借りている人の中には3年経った今も借り続けている人もいるそうだ。
稲田さんの会社が取ったアンケートによれば、レンタルを選択した理由の1番が「初期費用を抑えたいから」というもの。2番目が「処分費用を抑えたいので、処分費用がかからないレンタルにした」。レンタルの場合は返す時にお金がかからないのも、魅力に捉えている人が多いようだ。
スタートして3年。「レンタル需要は徐々に伸びています」と稲田さん。今後のリサイクルショップについては「リユースやレンタルの需要は届け方次第でまだまだあると思っております。最近は介護施設など、まだまだリユース品が身近でない方々へ、それぞれの需要にあったサービスを付帯した上でリユース品の魅力を浸透させていきたいと思っております」と話す。
リユース品を支持する人が増えた背景には、経済的な理由もあるが、エコやSDGsの考え方が一般にも定着して来た表れかもしれない。
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