許せない! 結婚3カ月で夫が不倫
「彼と私は同じ部署で一緒に仕事をしているうちに親しくなりました。付き合っている間は周囲には言わなかったけど、1年半前、結婚を決めたときはみんなが喜んでくれたんです」サヤカさん(33歳)はそう言う。相手は3歳年上の先輩で、結婚と同時にサヤカさんが希望を出して部署を異動、もともと望んでいた広報の仕事に就いた。
「結婚して落ち着き、仕事もどんどんやっていこうと思っていた矢先、夫の様子がおかしくなったんです。帰宅がやたらと遅いけど、かつては同じ部署だったから情報も入ってくる。彼はそれほど忙しくないはずだって。なんだか胸騒ぎがしました」
結婚して3カ月、夫が外泊し、彼女は耐えられなくなって夫が寝ている間に携帯電話を見てしまう。そこにあったのは、彼女の後輩と夫のアツアツなやりとりだった。
「先輩に悪いと思う、と書いている彼女と、『オレ、結婚して後悔してるんだよね。きみと結婚するべきだった』と返信している夫。『私たち、あっちも合うよね。サヤカ先輩とはしないの?』『しないよ、きみのほうがずっとすてきだから』というやりとりに、頭がクラクラしました」
裏で夫を寝取っていながら……
4歳年下の後輩は、廊下で会うと「サヤカ先輩、今度、ごはん行きましょうよ」と慕ってくれる存在だった。だが彼女は、裏でサヤカさんの夫を寝取っていたのだ。「彼女、自分は同性には好かれないタイプだと嘆いていたことがあったんです。でも素直でいい子だと思っていたから、私はかわいがっていたんですよ。それなのにとんでもない裏切りをしてくれた。夫も夫です。私は夫との間に信頼関係があると思っていたのに、彼はそうは思ってなかったんでしょうね」
サヤカさんは1週間、考えたあげく、夫に携帯のことを告げた。人のものを勝手に見るなんてと怒った夫だが、その直後に「彼女からいろいろ相談を受けているうちに、つい。本気じゃないんだ」と謝罪してきた。
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一緒に借りたマンションを、彼女はひとりで出て行った。実家に戻ってから妊娠していることがわかった。
「妊娠したけど産まないからと彼に言ってやりました。本当はひとりで産んで育てるつもりだったけど。彼は私の実家に飛んできて床に頭をすりつけていたけど、私はやはり許せなかった。でもね、結局は流産しました。生まれてこられなかった子に申し訳なくて。私は社内のおしゃべりな女性にこの話を全部伝えて、会社を辞めました」
もちろん、噂はすぐに広まり、彼もいられなくなったらしく退職したと聞いた。離婚が成立して1年近くたった今も、サヤカさんはまだ立ち直れずにいる。
妻は不倫相手と続いていた
「結婚して半年たったころかな、僕の妹が『義姉さんを見かけた』と言うんです。場所を訪ねると、もともと妻が借りていたマンションだった。しかも男と一緒に出てきたという。なんだかおかしいと思って、僕、妻のスケジュールを見ながらそのマンションに張り込んでみたんです」トシロウさん(35歳)は自分の目で見てしまった。妻とかなり年上の男とが、ふたりでマンションに入っていくのを。
「彼女とは友達の結婚式の二次会で知り合いました。僕の一目惚れだったんですよ。連絡先を交換して会うまでに半年以上かかりました。誰かいるんだろうとは思っていたけど、ある日、彼女が会うことをOKしてくれて」
そこから付き合いが始まったが、彼女はひとり暮らしの部屋には入れてくれなかった。親が唐突にやって来ることがあるからというのが理由だった。彼もひとり暮らしだったから、週末はデートをして彼の部屋に泊まっていくことが多かった。
「妻と男がマンションに入っていったとき、僕は突撃しました。男は慌てることもなく、『申し訳ない』と頭を下げた。彼は、妻の勤務先の上司で、もちろん既婚者。ふたりの関係は6年も続いていたんだそうです。
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妻の両親にも暴露して離婚
一目惚れした女性と付き合い、結婚までしたのに、彼女は結婚前も結婚後も不倫相手と関係を続けていたのだ。「黙って引き下がろうと思ったけど、どうして僕がそうしなくちゃいけないのかわからなくなった。愛情が憎悪に変わりました。妻の両親にすべてを打ち明け、不倫相手の奥さんにもバラしてから離婚しました」
男から慰謝料の申し出があったが、彼は断った。「金で解決できると思うな」と怒鳴りつけてやった。
「僕はカモフラージュだったんですよね。そう考えると、あんなに一途に彼女を思っていた気持ちが汚されたような気がして。どうにもならない怒りとショックで、自分をコントロールするのが大変な時期もありました。あまりのスピード離婚だったから、上司や同僚からは心配されましたが、本当のことは言えなかった」
離婚からようやく1年たったが、今もときどき、ふっと虚しくなることがあると彼は寂しそうにつぶやいた。
亀山 早苗プロフィール
明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。(文:亀山 早苗(フリーライター))
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