週明け2日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比44.66ポイント(0.23%)高の19468.27ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も25.93ポイント(0.37%)高の6972.61ポイントと続伸した。売買代金は778億7140万香港ドルとなっている(11月29日前場は726億7240万香港ドル)。
中国景況感改善が相場を支える流れ。週末に公表された国家統計局などによる11月の景況感指数に関しては、製造業PMIが50.3に上向き、市場予想(50.2)も上回った。また、取引時間中に発表された民間集計の財新・中国製造業PMIは予想(50.6)を上回る51.5に上向き、5カ月ぶりの高水準に達している。ただ、上値は重い。通商問題を巡る米中対立の激化懸念がくすぶっているほか、2日の外国為替市場で対米ドルの人民元安が進行し、7月後半以来の水準に下落していることも懸念された。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、電子機器製造受託サービス(EMS)中国大手の比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が10.1%高、ミネラルウォーター中国最大手の農夫山泉(9633/HK)が7.9%高、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が5.5%高と上げが目立った。BYDエレクについては、長沙の第2期プロジェクトが稼働し、生産能力が拡大したことを材料視している。
セクター別では、自動車の一角が高い。広州汽車集団(2238/HK)が22.5%、東風汽車集団(489/HK)が8.9%、北京汽車(1958/HK)が6.3%、吉利汽車HD(175/HK)が3.5%ずつ上昇した。広州汽車は新ブランドの期待感が先行している。同社は11月30日、華為技術(ファーウェイ)とインテリジェントカーに関する戦略的提携関係を結ぶことに合意した。吉利汽車については、11月の自動車販売が過去最多を記録したことも材料視された。
マカオのカジノ株も物色される。澳門博彩HD(880/HK)が5.1%高、金沙中国(1928/HK)が3.1%高、永利澳門(1128/HK)が2.2%高、銀河娯楽集団(27/HK)が1.9%高で前場取引を終えた。業績改善が期待される。マカオ政府は1日、今年11月の域内カジノ売上高が前年同月比で14.9%増加したと報告。23カ月連続でプラス成長を維持している。
半面、産金セクターはさえない。中国黄金国際資源(2099/HK)が3.2%、招金鉱業(1818/HK)が1.4%、山東黄金鉱業(1787/HK)と霊宝黄金(3330/HK)がそろって1.3%ずつ下落した。
他の個別株動向では、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が3.5%安。同社の7〜9月期決算は、調整後利益が2.2倍に膨らんだものの、一部のアナリストが目標株価を引き下げたこともあり、好材料の出尽くし感が意識された。
本土マーケットも続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.02%高の3360.38ポイントで前場取引を終了した。不動産株が高い。消費関連株、医薬株、ハイテク株、公益株なども買われている。半面、エネルギー株は安い。銀行株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)