今週は京都競馬場、芝1600m外回りで行われる2歳牝馬限定のGI、阪神ジュベナイルフィリーズ。特別登録の段階で26頭がエントリーしているが、うち16頭が収得賞金900万以上ということで、いわゆる1勝馬が出走できる枠は2つ。例年では稀にみる狭き門となっている。
2歳12月の時点でこのような状況ということは、3歳4月の桜花賞の時は出走ボーダーとなる収得賞金はかなり高くなりそう。桜花賞といえば、牝馬にとっては一生に一度の華のあるレースだけに、そこを目指すためにはどのような路線を組むべきか、関係者は今から番組選びに頭を悩ませることになりそうだ。
【12月7日(土) 京都芝1200m】
◆クインズパフェ(牝、父ディスクリートキャット、母フライアゲイン、栗東・藤野健太厩舎)
母系にはJRAダートで6勝を挙げ、地方競馬へ移籍後にテレ玉杯オーバルS2着などのダート重賞実績を残したベストマッチョ(父Macho Uno)がいる血統。
11月に入ってから栗東で本格的な追い切りを開始しており、坂路での4F時計は極端に速いわけではないが、コンスタントに後半2Fがまとまった時計をマークしている。本馬について「ピッチの利いた走りをする馬で距離は短いところに適性がありそう。芝とダートに関してはどちらかなという感じですが、初戦は芝で」と藤野健太調教師。
【12月7日(土) 京都ダート1800m】
◆オーレアミスト(牡、父ゴールドドリーム、母ジンジャーミスト、栗東・友道康夫厩舎)
おじに同厩舎で管理され、2023年大阪杯を制したポタジェ(父ディープインパクト)がいる血統。本馬は2022年ミックスセール当歳にて、4100万円(税抜き)で落札されている。
9月4日にノーザンファームしがらきから栗東へ入厩して、ゲート試験に合格すると放牧へ。11月7日に栗東へ再入厩して、順調に追い切りを消化。先週はレースで騎乗予定の武豊騎手が跨って、CWでの3頭併せ。6F82.4秒、3F37.5秒、1F11.6秒をマークして、新馬として水準以上の動きを見せている。「やるごとに動きが良くなっていますし、ジョッキーも好感触を掴んでくれました」と友道康夫調教師。
【12月8日(日) 京都芝1800m】
◆ギフテッドアベリア(牝、父サートゥルナーリア、母モルトフェリーチェ、栗東・松下武士厩舎)
半兄に平地で3勝、障害では東京ジャンプSなど5勝を挙げたケイティクレバー(父ハービンジャー)がいる。本馬は2023年北海道セレクションセール1歳にて、3400万円(税抜き)で落札されている。
栗東での追い切りは11月20日に坂路で4F53.5秒をマーク。ある程度、しっかり動くことができた印象だったが、それ以上だったのが、CWでの1週前追い切り。レースでも騎乗予定の幸英明騎手が跨り、本馬と同じ鈴木昭和オーナー所有のショウサンキズナとの併せ馬。先行して先着した内容はもちろん、6F81.3秒、3F36.9秒、1F11.6秒とマークした時計が優秀。追い切り直後の松下武士調教師も「いい動きでしたね」と満足いく内容だっただけに、実戦での走りも楽しみ。
◆スティレセイル(牝、父キズナ、母コーステッド、栗東・福永祐一厩舎)
半兄に2022年の共同通信杯を勝ったダノンベルーガ(父ハーツクライ)、今年の秋華賞で2着しているボンドガール(父ダイワメジャー)がいる。
本馬は4月17日にノーザンファームしがらきから栗東へ入厩。5月3日にはゲート試験を合格して放牧に出ている。その後は牧場で調整を進め、11月に入って、栗東で本格的な追い切りを消化。11月29日のCWでは古馬1勝クラスを追走して同入、6F81.9秒、3F36.9秒、1F11.6秒をマーク。調教量自体は多くないが、追い切りでの時計は非常に優秀なだけに、さすが活躍馬が出ている血統という印象がある。
(取材・文:井内利彰)