電車で寝過ごして見知らぬ土地に辿り着き、怖い思いをしたという人はいるだろう。投稿を寄せた福島県の60代男性(技能工・設備・交通・運輸/550万円)も、「寝過ごしで怖かった話」を切り出した。
どうやら単なる寝過ごしではなかった様子。寝過ごした結果、警察官の事情聴取を受ける羽目になったというのだ。(文:天音琴葉)
大阪→桃谷が「また弁天町駅」
当時、大阪の会社に勤めていた男性は、帰りに同僚と立ち飲み屋で一杯飲んだあと、大阪駅からJR大阪環状線に乗り込んだ。大阪環状線は都内を走るJR山手線のように円になっている。
大阪駅から当時の自宅があった桃谷駅まで、京橋経由で帰るほうが早かったが、混んでいたため、「少々時間がかかっても構わない」と反対の弁天町方向の電車に乗った。
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「車両端の座席に座ってウトウトしていた。車内の混雑が少なくなったのに気付くと弁天町駅に停車中、まだ時間がかかると思って一寝入りして、次に目覚めたのが、また弁天町駅」
目が覚めるたび、「あれ?」と思ったものの、男性は寝入ってしまった。ぐるぐると回り続け……3周目でのこと。
「次は天王寺駅で係員さんに起こされた。どうやら終電の天王寺終着までずっと寝ていた様子」
電車から降りて改札に向かった男性は、タクシーを捕まえて早く帰りたかっただろう。だが予想外の展開に。なぜか警察官に呼び止められたのだ。
天王寺駅に着いた時には亡くなっていた……
駅の事務室に連れて行かれると、車内の向いの座席で年配男性について、警察官から事情聴取を受けたという。そのときのやり取りを次のように回想する。
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「向いの座席に座っていた(年配の)男性をご存知ですか?」と聞かれ、「確か、この前と、さらにその前に目覚めた時には座っていましたよ」と答えた男性。だが、ほとんど寝ていたため、それ以上は知らなかった。その後、事情聴取の理由を警察官に知らされ、衝撃を受けることになる。
「どうやら私は環状線を3周くらいしていて、その間に向いの席に座っていた初老男性が、終電終着の天王寺駅に着いた時には亡くなっていたらしい。話を聞いて酔いが醒めた」
図らずも不審死の目撃者になるという後味の悪い結末に。深夜に捜査に協力したということで、帰りはパトカーで桃谷駅近くまで送ってもらった。「タクシー代が助かった」と結んだ男性は、もう二度と寝過ごしをしないと心に誓ったに違いない。
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