12月5日、WRC世界ラリー選手権に参戦しているヒョンデ・シェル・モービスWRTは、2025年のドライバーラインアップにアドリアン・フルモー/アレクサンドル・コリア組が加わることを発表した。
2024年にはティエリー・ヌービルがドライバーズタイトルを獲得し、元王者のオット・タナクとともに2025年もふたりのラインアップを確定させていたヒョンデ。
これまで3台目はパートタイム参戦ドライバーを交代で乗せる運用となっていたが、2025年からは、Mスポーツ・フォードWRTでチームのエースとして5度の表彰台を獲得したフルモーをフルで起用することが決まった。
フランス生まれ、現在29歳のフルモーは、2019年よりR5(旧ラリー2)でWRCデビューを果たし、2021年、2022年にはMスポーツとともに最高峰クラスで戦った。
しかし、この時には目立った成績を残せずに2023年に一度ラリー2へ戻り、2024年には満を持してふたたびラリー1に参戦。2024年は、速さをうまくコントロールする硬派な戦いぶりで5度の3位表彰台を獲得した。
その活躍がチームの目に留まり、2024年には逃したマニュファクチャラー選手権の王座も手にするべく、より強力で一貫性のあるラインナップを構築するためにフルモーの登用が決まった。具体的な加入時期は、モンツァ・ラリーショー(12月5日〜8日)の直後であり、2025年シーズンへ向けた準備を開始するという。
ヒョンデ陣営入りが決まったフルモーは、「2025年シーズンにヒョンデ・モータースポーツに加入できることを本当にうれしく思う」と喜びを言葉にしている。
「これは自分とアレックス(アレクサンドル・コリア)にとって大きなチャンスであり、チームでのスタートが楽しみだ。ドライバーとしてはつねに成長し、自分自身を押し上げることを目指しているが、これは適切なタイミングでの適切なステップだと感じているよ」
「ヒョンデは長年にわたりWRCで強い存在感を示してきたので、その一員になることを誇りに思う。ベストを尽くし、この旅が自分たちをどこへ連れて行ってくれるのかを見届けたいと思う」
3台目のドライバーにフルモーを起用したことについて、チームのシリル・アビデブール代表は、「来年の新たな挑戦に向けて、3台のクルマすべてにわたる一貫性と安定性が重要になる」と理由を語っている。
「2024年に3台目のクルマを共有するアプローチにより、WRCでチーム最強の年のひとつを実現することができた。これに多大な貢献をしたエサペッカ(・ラッピ)、ダニ(・ソルド)、アンドレアス(・ミケルセン)に心から感謝したい」
「2024年の素晴らしいシーズンを経て、アドリアン(・フルモー)とアレクサンドル(・コリア)をチームの一員として発表できることを嬉しく思う」
「アドリアンは今シーズン達成した結果だけでなく、ラリー1への復帰に持ち込んだ新たな考え方と姿勢でも感銘を与えた。ティエリー(・ヌービル)、オット(・タナク)、アドリアンの3人から成る我々のラインアップは、2025年に世界の舞台で強力な力を発揮するだろうと信じている」