いよいよ物語が佳境に突入する今期放送のドラマ。取り分けこの秋は、物語の続きが気になって、つい画面の前でもどかしくなってしまう作品が話題となっている。そこで今日は、年末の忘年会などで話題に挙がること間違いなし! 今イチオシの話題作をピックアップして紹介していこう。
家族である“ライオン”を最後まで守り抜くことが出来るのか…!?
「ライオンの隠れ家」
まずはこの作品、現在放送中の金曜ドラマ「ライオンの隠れ家」(TBS系)だ。本作は、市役所で働く平凡な青年・小森洸人(柳楽優弥)と、自閉スペクトラム症の弟・美路人(坂東龍汰)が、ある日突然家の前に現れた謎の男の子・ライオン(佐藤大空)と出会い、ある大きな事件に巻き込まれていくヒューマンサスペンス。
物語の折り返しで、異母姉妹の姉・愛生(尾野真千子)が夫の暴力から我が子を守るため、決死の覚悟で息子・ライオンを弟の家へ預けた真実が明らかになり――洸人は、家族みんなの幸せを願って、佐渡島へ隠れ住むことを決める。
しかし、建設会社に勤務するDV夫の背後には、ある議員と密接に関わるさらなる巨悪が潜んでいて…。ついには、部屋が荒らされた上、ライオンと姉が失踪してしまう事態に。果たして洸人は、まだ幼いライオンの屈託のない笑顔を最後まで守り抜くことが出来るのか。異例の出来事が連発する中、美路人の心も心配だ。まさに最後の最後まで目が離せない一作と言えるだろう。
第9話あらすじ
愛生(尾野真千子)とライオン(佐藤大空)が、ペンションから連れ去られた。
洸人(柳楽優弥)から2人がいなくなったと連絡を受けた柚留木(岡山天音)は、新潟側のフェリー乗り場で愛生たちが下りてくるのを待ち構えるが、そこに現れたのは祥吾(向井理)の息がかった樺島(後藤剛範)であった。
一方洸人は、ライオンが別れも告げずいなくなったことに困惑する美路人(坂東龍汰)に、どうやってペンションから今すぐ出ようと説得するか、考えを巡らせる。
そして、ライオンが忘れていったぬいぐるみを手に「これを一緒に届けに行こう!」と提案。2人で佐渡島を出て、愛生とライオンを救いに橘家へ向かうことに決める。しかし、そこに愛生とライオンの姿はなかった。居場所が分からないまま、小森家に戻るしかない洸人と美路人。このまま元の2人の生活に戻ってしまうのか、悶々とした感情を処理できずにいた。
その頃、愛生はある覚悟を決めて祥吾と会っていた――。
「ライオンの隠れ家」第9話は12月6日(金)よる10時放送。
描かれていない“空白の時間”を埋め、物語を完成させる面白さが魅力
「海に眠るダイヤモンド」
続いて紹介するのは、日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(TBS系)。神木隆之介さんを主演に迎え、戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいくと同時に、現代の“一見して何でもあるけれど若者が夢を持てない時代”を描き、過去から現代に通じる希望を見つけ出していく、時代を超えたヒューマンラブエンターテインメントだ。
2つの時代の同じ顔をした主人公・鉄平/玲央(神木)にスポットを当てているため、「過去がどう現在に繋がっていくのか」という部分に視聴者の考察が白熱しているのが、このドラマの面白いところ。初回放送から登場している現代のいづみ(宮本信子)の正体が、端島の朝子(杉咲花)だということが判明し、いよいよ物語は後半戦へ。お金も地位も名誉も、すべてを手にして幸せなはずのいづみが、閉鎖的なはずの端島時代になぜ想いを馳せるのか。
最新話では、鉄平からプロポーズされたはずのいづみが玲央から現在の鉄平の所在を尋ねられるも、「知らない」と悲しげに答え、過去の日記に“坑内火災”という不穏な四文字が映し出されて終わっている。まさしく、続きが気になって仕方ない話題のドラマだ。
第7話あらすじ
現代、いづみ(宮本信子)から、鉄平(神木隆之介)は今もどこにいるのか分からないままだと告げられ、衝撃を受ける玲央(神木)。
1964年。荒木家では、進平(斎藤工)とリナ(池田エライザ)の息子が一歳を迎え、一平(國村隼)やハル(中嶋朋子)の喜びもひとしおの様子。さらに賢将(清水尋也)と百合子(土屋太鳳)も結婚1周年を迎えるなど、周囲に幸せムードが漂う中、鉄平と朝子(杉咲花)もまた、秘密の交際を始めていた。
そんなある日、鉱山の坑内では一平が作業している中、ガス爆発による火災が発生して…。
訪れた端島最大の危機に、進平と鉄平も立ち向かうことに。
運命を揺るがす一日が始まったーー。
「海に眠るダイヤモンド」第7話は12月8日(日)よる9時放送。
何を信じて、何を疑えばいいのか。新感覚の“情報戦”が開幕!
「インフォーマ -闇を生きる獣たち-」
続きが気になるといえば、11月よりABEMAで配信を開始したドラマ「インフォーマ -闇を生きる獣たち-」も忘れてはならない。
2023年放送の「インフォーマ」の新シリーズとなる本作は、政治・経済・芸能・裏社会にいたるまで、あらゆる情報に精通し、社会を裏で操る謎の情報屋、通称インフォーマ・木原慶次郎(桐谷健太)と、ペンで権力に立ち向かうという信念を持つゴシップ週刊誌「週刊タイムズ」記者・三島寛治(佐野玲於)のコンビを軸に繰り広げられる、本格クライムサスペンス。今シリーズから莉子さん、池内博之さん、二宮和也さんらが新たに参加することでも注目を集めている。
物語は、世間を騒がせている「闇バイト事件」の黒幕を調べるため、編集長からの命令でタイへ飛んだ三島の前に、再び木原が現れたことで始まった。そこからあれよあれよという間に、現地マフィアやインフォーマを名乗る謎の男・鬼塚(池内)との壮大な情報戦に巻き込まれていく二人。刑務所の中にあるとされるアジトへの潜入を試みるも、過去作に登場したキム(一ノ瀬ワタル)の裏切りに寄って行く手を阻まれ…。その後も、誰が味方で、誰が敵なのかが交錯するザ・情報戦。こちらも同様、結末が気になる一作だ。
第5話あらすじ
三島(佐野玲於)は刑務所からの脱出に、広瀬(莉子)は寺院に隠されたマイクロチップの入手に成功、と喜んだのも束の間、木原(桐谷健太)たち3人は、鬼塚(池内博之)やタイのマフィアに追われ、タイ警察からも懸賞金をかけられたお尋ね者となる。
木原はかつてのビジネスパートナーであるトビオ(山田孝之)と手を組み、包囲網が張り巡らされたバンコクから日本への脱出を図るが、果たして無事に生還することができるのか。そしてついに「世の中がひっくり返る」チップの中身が明らかに…。
ABEMAオリジナルドラマ「インフォーマ -闇を生きる獣たち-」第5話は12月5日(木)よる11時〜放送。
“まさか”続きの大どんでん返し! ゼンケツ=全員神という急展開へ
「全領域異常解決室」
藤原竜也さんが主演をつとめる本格ミステリードラマ「全領域異常解決室」(フジテレビ)。身近な現代事件×最先端の科学捜査では解明できない不可解な異常事件(神隠しやシャドーマン、キツネツキなど、世の中を騒がせる超常現象)を、通称:ゼンケツという新たな捜査機関が解決していく、1話完結型の物語――のはずだったのだが…。本作は、後半から想像をはるかに超える展開を迎え、SNSを筆頭に大きな話題を集めている。
というのも、ゼンケツの本当の仕事は、神々が人智を超えた能力を使って起こした不可思議な事件を人間たちに気付かれないように丸く収めることだったのだ。興玉(藤原)をはじめ、雨野小夢(広瀬アリス)を含むメインメンバーはいずれも八百万の神々で、それぞれに使命を持っていた。その上、現在、人間界に生きる全ての神々を消そうとする謎の存在・ヒルコと戦争状態にあると言い…。一部、利害の一致した神がヒルコに手を貸すなど、物語は回を追うごとに緊迫感を増していく。もしや、警察の中にも神が…!? あらゆる思惑が交錯するハラハラ・ドキドキの展開をぜひラストまで見逃さずにチェックしてみては?
第9話あらすじ
荒波健吾(ユースケ・サンタマリア)は、直毘吉道(柿澤勇人)からの情報により興玉雅(藤原竜也)とヒルコの関係に不信感を抱き、興玉に事情を聴く。そんな中、興玉は警察の資料から月読命・佃未世(石田ひかり)が何者かに「天石戸別神は興玉雅」とメッセージを送っていたことを知る。
「全領域異常解決室」第9話は12月11日(水)よる10時放送。
とにかく切ない! “運命のイタズラ”に翻弄される究極の愛の物語
「さよならのつづき」
有村架純さん×坂口健太郎さんがダブル主演をつとめるNetflix配信のドラマ「さよならのつづき」。北海道とハワイの壮大な風景を舞台に描かれる愛の物語についても最後に触れておこう。
本作は、プロポーズされたその日に雪の事故に遭い、恋人・雄介(生田斗真)を亡くしたさえ子(有村)と、雄介の死によって奇跡的に命を救われた成瀬(坂口)が導かれるようにして出会ってしまう――まさにさわりを聞いただけで胸の締めつけられるドラマとなっている。
移植手術の後、病弱かつ内向的だった成瀬の心身に歴然とした変化が。「心臓を移植してくれた方の記憶を、私は持ってしまっている」というセリフが象徴するように、さえ子へ好意を消せず、戸惑う成瀬。二人だけでなく、周りのさまざまな人たちを巻き込んで発展していく運命のイタズラに焦点を当てた、とにかく切ないラブストーリーは、見始めたら止まらない! 先の気になる作品に仕上がっている。迷い抜いた末、二人が選んだ道とは…?
Netflixシリーズ「さよならのつづき」はNetflixにて独占配信中。
以上、まさに今見逃せないドラマ5選。気になる作品は、今からでも決して遅くはない。ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。
(YUKI)