「仲間がいるからこその楽しい歌や仲間の温かさをこの映画から感じてほしいと思います」小関裕太『モアナと伝説の海2』【インタビュー】

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2024年12月06日 16:40  エンタメOVO

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モニを演じた小関裕太

 モアナが壮大な冒険の末に故郷の島を救ってから3年。人間を憎み世界を引き裂いた“嵐の神の伝説”を知ったモアナは、人々の絆を取り戻すため立ち上がることを決意。風と海をつかさどる半神半人のマウイや島の新たな仲間たちと共に危険に満ちた冒険の旅に出る。海に選ばれた少女モアナが繰り広げる冒険を描いたディズニー・アニメーション・スタジオによる長編ミュージカル・アニメーション『モアナと伝説の海』(17)の続編『モアナと伝説の海2』が12月6日から全国公開される。本作の日本語吹き替え版で、モアナと共に旅に出るモニを演じた小関裕太に話を聞いた。




−今回は、オーディションでモニ役に決まったそうですが、どういうオーディションを受けたのか、また役に決まった際の心境を聞かせてください。

 まさか受かるとは思っていなかったので、マネジャーから「受かった」という連絡がきたときはものすごくうれしかったです。そして、オーディションを受けた際はできる限りのことは事前準備していきましたが、本当にその時に出せるものだけ、瞬発力だけを試されたという感じでした。そういう意味でも受かった実感はあまりなかったです。ですが、この作品に選んでもらえたことがすごく自信になりました。

−演じたモニというキャラクターをどのように捉えましたか。

 モニには、モアナとマウイに対する熱い思いと憧れがすごくあります。モアナとマウイには一緒に旅に出てみんなを救ったという実績があって、モニが見たことのない景色もたくさん見ています。なので、モアナに対しては、自分と同世代だけどすごいなという思いがあり、尊敬も含めた憧れがあるのかなと思いました。「自分も何か踏み出してみたい。自分もモアナみたいになりたいけど憧れが強過ぎてそんなことは言えない、彼女には勝てない」みたいな気持ちがあるのではないかと思いながら演じていました。

−そういう思いも踏まえて、実際に吹き替えをした時に何か気を付けたことや心掛けたことがあれば

 一番はやっぱりモニが抱くワクワク感です。モアナとマウイに対する憧れがあるというのは大前提として、その中でどういう言葉や瞬間に喜びを覚えて、どういうタイミングで興奮するのかみたいなことは考えました。モニは興奮すると声が高くなってしまうイメージがあったので、具体的にどういうものに興奮してテンションが上がったのかは、レコーディングをしながら、または台本を読みながら、モニに成りきって彼の目線で考えたと思います。

−吹き替えは難しかったか楽しかったか、どちらの思いが強かったですか。

 ストーリーテラーの部分で大きな役割を担っているキャラクターという部分では難しくもありましたが、歌を歌うキャラクターというのも含めて、楽しかった方が強いです。ディズニー作品への憧れもあったので、レコーディングの最中は「ついに自分がやっているんだ」という実感がすごくあって。このキャラクターに声が乗って、お客さんやモアナファンはもちろん、これから生まれてくる子どもたちにも届くということにとても興奮しました。

−実写作品とアニメーションの吹き替えに違いはありますか。

 演技をするという点では同じなのですが、実際は全く違うものだと思います。声優は声が全て。実写なら伝わるものが、アニメーションに乗せるとただテンションが低くて聞きとりにくい声になったりもします。だから、例えば暗いシーンの中の暗いせりふでも、割とパワフルに表現しないと声が乗らなかったりするので、同じせりふでもテンションやイントネーションは実写とはだいぶ変わると思います。アニメーションに合ったイントネーションや声があると思うので、全く違う職業のように感じます。

−自分が実際に吹き替えた映画を見た時はどんな印象でしたか。

 すごく緊張しました。普段は自分の出た映画を試写で見るときはそれほど緊張しない方なのですが、今回はずっと肩に力が入っていたので、まだちゃんと見れていない感じはありつつもとても感動しました。それは自分が出たことへの感動ではなくて、映画自体を受け止められたという感じでした。今後ブルーレイやDVDが出て、配信でも見られるようになるかもしれませんが、映画館の音環境の中で立体的に音楽を楽しめるという点では、これは映画館で見るべき作品だと思いました。第1作目よりパワーアップしており、本当に画面の美しさにため息が出て、鳥肌が立ち、きれいなものを見ているなと感じました。

 モアナ役の屋比久(知奈)さんの声もソプラノの管楽器みたいな声で、真っすぐ届く部分もあるし、劇場ごと体が鳴るような感覚があって心地よかったです。そこに自分の声も乗っているわけですから感動しました。特に「最高の世界」という三重奏で歌う曲は、最初に届いた時はびっくりするぐらい難しい曲でしたが、完成作で聞いてみると すごく感動し、歌ってみたくなる楽曲だと改めて思ったので、ぜひいろんな人に歌ってほしいと思いました。そして、「最高の世界」を歌う日本版声優の一員になれてすごく光栄だと感じました。

−ディズニー映画で特に好きな作品は?

 僕は『メリー・ポピンズ』(64)を見たのがきっかけでこの業界に入りました。幼稚園の頃に昼寝の時間に見ていたらすごくハマり、家でもビデオで見るようになりました。特に屋根の上でタップダンスを踊るシーンに影響を受けて、タップダンスを習い始めました。それが小学1年生の時です。そのダンススクールの中に小さな事務所があったので、ダンスの延長線の習い事みたいな感覚で書類を出してみたところ受かり今に至っています。なので『メリー・ポビンズ』がなかったら、今の僕の志はなく、ここにもいないし、こうしてディズニー作品に携わることもなかったので、本当にディズニー作品に影響を受けたんだなと感じます。

−『メリー・ポピンズ』といえば、やっぱりディック・バン・ダイクさんですか。

 ディック・バン・ダイクさんには影響を受けました。小さい頃は、俳優さんとしてではなく、バートというキャラクターとしてしか見ていなかったのですが、大人になり、あの方が残した功績と偉大さを知って、改めて、歌ったり踊ったり、ああいう風になりたいと思いました。ミュージカルでも活躍されて、映画界に行った方だったので、そういう経歴にも影響を受け、自分なりにあの方から影響を受けて今ここにいるんだなと感じます。

−最後に、映画を見た感想と見どころやアピールポイントをお願いします。

 前作に比べて映像美も音楽もかなりパワーアップしています。さらに僕が演じたモニも含めた新しい仲間が加わったことによって、仲間同士で息を合わせることの大変さや、仲間がいるからこそ高いハードルも乗り越えられるというメッセージも受け取ってもらえると思うので、ぜひ仲間がいるからこその楽しい歌や仲間の温かさをこの映画から感じてほしいと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)


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