契約解除騒動の渦中にある韓国の人気ガールズグループ「NewJeans」が、今月4日に生放送されたフジテレビ系音楽特番『2024FNS歌謡祭』第1夜に出演。騒動の影響を感じさせない圧巻のパフォーマンスでファンを魅了した。これ以外にも複数の日本の音楽番組に出演したが、出場が有力視された大みそかのNHK『紅白歌合戦』は“落選”となっている。
彼女たちの代わりであるかのように「NewJeansのパクリ」とも指摘された新人グループの出場が決まっており、その背景にはNHKの「HYBEとのズブズブ関係」や「事なかれ主義」があるとみられているようだ。
NewJeansといえば、プロデューサーでグループの生みの親でもあるミン・ヒジン氏が韓国の大手芸能プロ「HYBE」傘下のADOR社の代表を電撃解任され、HYBE側に対してメンバーたちがミン氏の復帰などを求め、強い抗議の意思を表明。メンバーのハニが、ADOR社内で他のグループにあいさつしたところ、そのマネージャーがメンバーたちに「無視しなさい」とハニにも聞こえるように指示したという「いじめ疑惑」を韓国国会で証言したことも話題になった。
NewJeansは先日の会見で「信頼関係が崩れた」としてADOR社との契約解除を一方的に発表したが、ADOR社側は「専属契約は依然として有効」と主張。すでに決まっている日程は予定通り消化するとしているが、今後はどうなるか不透明で、グループ名や既存の楽曲が使えなくなる恐れがあり、巨額の賠償金が発生する可能性もある泥沼の騒動になっている。
不安定な状況になったNewJeansだが、予定されていた日本での番組出演を完全に遂行。11月29日のテレビ朝日系『ミュージックステーション』、同30日の日本テレビ系『ベストアーティスト2024』、そして先述の『2024FNS歌謡祭』と、立て続けに生番組でパフォーマンスを披露した。
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NewJeansは日本のCMなどにも複数起用され、幅広い世代で知名度と人気が高まっていることから、昨年に続き『紅白歌合戦』に出場すると当初はみられていたが、出場者ラインアップに彼女たちの名前はなし。その代わりに同じHYBE系列の新人グループ「ILLIT(アイリット)」の初出場が決まっている。
ILLITも若者世代から高い支持を得ているが、今春にデビューしたばかりで認知度はNewJeansにまったく及ばない。それなのにNewJeansが選ばれなかったと理由として、業界内では「NHKがトラブルを恐れて“安パイ”に走ったのでは」と指摘されている。NewJeansは「予定されていた仕事は消化する」としているが、不安定な立場であることは否めず、NHKの「事なかれ体質」が選定に影響したのではないかというのだ。
また、NHKとHYBEの「ズブズブ関係」が根底にあるとの見方もある。今回の『紅白』では、紅組のLE SSERAFIMや白組で初出場するTOMORROW X TOGETHERがILLITと同じHYBE系列。K-POP系の出場グループ全4組中、3組がHYBE系列となっている。NewJeansを出場させればHYBEとの関係に亀裂が入りかねないため、事務所側がプッシュしているILLITを「忖度」で選んだのではとみられているようだ。
ILLITについては、ミン氏側が「メイクや髪型、振り付けなど、すべてにおいてNewJeansのパクリ」と主張しており、今回の騒動の火種の一つとなったグループでもある。NewJeansにとっての“因縁のライバルグループ”をあえて選んだのも、NHKとHYBEの関係の強さを物語っているといえそうだ。一部では「特別枠でNewJeansが出場する可能性はあるのでは」といわれているが、ILLITが出場する時点でその線は極めて薄くなったといえるだろう。
日本人は「判官びいき」が多いだけに、巨大な芸能プロを相手に真っ向から闘おうとしているNewJeansのメンバーたちに同情してしまいがち。HYBEの肩を持つようなNHKの選定は視聴者の反発を生みそうで、こうしたところからも世間の「紅白離れ」が進んでいく可能性がありそうだ。
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