<関東大学ラグビーリーグ戦2・3部入れ替え戦:新潟食料農大33−29国士舘大>◇8日◇東京・国士舘大多摩グラウンド
新潟食料農大(3部1位)が国士舘大(2部8位)を破り、創部5年目で来季の2部初昇格を決めた。28−29の後半ロスタイム、敵陣ゴール前でスクラムを押し、最後はNO8前川昂大(3年)が逆転トライを決めた。
笑顔に涙。ノーサイドの笛が鳴ると、フィフティーンは思い思いに喜びを表現した。フランカー尾沼尚樹主将(4年)は「笑ったし、涙も出た」と感情をあらわにした。
1点を追う追加タイム、ラストワンプレーでの逆転劇だった。鍛え抜いたFWで愚直に押し、最後は前川が楕円(だえん)球を押さえ込む。「試合前からちょうどいい緊張感だった」(尾沼主将)とフィフティーンに焦りはなかった。同じ顔合わせだった昨年は19−47で敗れた。1年後のリベンジ戦。昨年より失点を抑え、前半5分に先制するなど成長を見せた。
入れ替え戦で3部校が2部校に勝ったのは15年の朝鮮大以来9年ぶり。新潟食料農大の対戦校はすべて関東地区で、試合も首都圏。試合時は前日に移動しなければならない。大学に選手寮はなく食事や体調管理は選手任せ。専用グラウンドもなく、練習は公共施設や公園を借り歩く。
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指導スタッフは東福岡を花園3連覇に導いた谷崎重幸監督(66)ただ1人。それでも名将の下、自主性を重んじながら実力を伸ばしてきた。創部した20年は5部スタート。コロナ禍で交流戦扱いになり昇格はなかったが、21年から毎年昇格を重ねた。3部で全勝した昨年、初めて入れ替え戦で国士舘大に敗れた。「今年は先制して波に乗れた」という谷崎監督は、「最後にリベンジした。4年生は本当にすごい」と土台を築き、難関突破の原動力になった最上級生を絶賛した。
晴天の都内とは対照的に、この日の新潟は平野部でも積雪があった。ひと冬越えた先に、新潟食料農大を1つ上のステージが待っている。「2部は今まで以上に厳しい戦いになるけど、自分たちらしさを出してほしい」。尾沼主将は後輩に部の発展を託した。
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