12月8日に鈴鹿サーキットで行われた2024スーパーGT第5戦『SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL』の決勝。最終戦までチャンピオン争いがもつれ込んだGT300クラスは、88号車VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)がポール・トゥ・ウィンを果たして“逆転チャンピオン”に輝いた。
その一方で、ランキング首位で今大会を迎えたLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)は、チャンピオンに手が届かない“逆転負け”の結果となった。しかし、10番手スタートから6ポジションアップの4位で終えたレース内容に「悔いはない」と胸を張っていた。
予選10番手からのスタートした65号車LEON AMGはタイヤ無交換作戦を選択。篠原がスタートを担当し、ピットウインドウが開く16周目にいち早くピットインし、蒲生尚弥に交代した。
「朝にけっこう時間をかけてミーティングを行い、いろいろな要素を考えた結果『タイヤ無交換でいけるのであれば』ということになりました。自分のスティントでは、守らなければいけない部分や攻めなければいけない部分があったので、気を使いながら走りましたが、雰囲気では大丈夫そうでした」と篠原。
もちろん、何かあったときのことを想定してピットストップ時にはタイヤを用意していたが、問題ないとのことで当初の作戦どおりタイヤ無交換を遂行した。
その甲斐もあり、ポールポジションスタートの88号車VENTENYランボルギーニがピットアウトしたときには、その1.5秒後方につけた65号車のLEON AMG。全車がピットストップを終えて順位整理をすると、4番手まで浮上していた。
しかし、タイヤが温まってからの88号車VENTENYランボルギーニはペースが良く、終盤には31号車apr LC500h GT、2号車muta Racing GR86 GTをパスしトップに浮上。これに対して65号車LEON AMGも表彰台圏内を目指して31号車aprの後方まで近づいたが、蒲生は「後ろとの距離も縮まっていたので、最後は抑えるのに精一杯でした」と、最終的に順位変動はなく4位でチェッカーを受けた。
外から見ると逆転でチャンピオンを逃す結果となったが「最後まで安定して走ることができましたし、順位も大きく上げることができたので、作戦的にはベストだったと思います。本当にみんなノーミスで走り切ったので『やり切った感』はあります」と蒲生は言う。
「3位にはなれなかったですけど、僕たちとしては満足しています。本当に悔いのないレースができたので、スッキリしています」と清々しい表情をみせた。
同じく篠原も「鈴鹿で4位になれたというのは、今までのなかでも良い結果だと思っています」と、自分たちができるベストを尽くせたことに自信を持っている様子だった。
改めて、今季を振り返った蒲生は「今年から予選方式が大きく変わりましたが、うまく対応できたと思います。後半は雨絡みになるレースが多く、けっこう荒れた展開になったと思いますが、そのなかで僕たちは何もミスなく走ることができました。最終戦も自分たちができるレースをやり尽くしたので、チャンピオンにはなれなかったですけど、本当に良い一年だったと思います」と語った。
そして篠原も「今年は2連勝できたことが嬉しかったですし、本当にいろいろながあった一年で……あっという間でした」と、今シーズンを終えたことに安堵していた。