女優で歌手の中山美穂さん(享年54)が自宅マンションで亡くなった件で、自宅に詰めかけた各メディアに対して「迷惑系YouTuberと変わらない」などと批判が続出している。とくに憔悴した妹で女優の中山忍に取材対応させたことについては、芸能界からも苦言が相次いだ。
中山さんが自宅浴室で亡くなっているのが発見された6日、各テレビ局や新聞、雑誌などの記者らが自宅前に大挙して集結。近所迷惑になりそうな状況を見かねたのか、同日の午後8時半ごろに忍が報道陣のカメラの前に現れ、取材対応することになった。
忍はマスクを外して「遅くまでみなさん申し訳ございません」と頭を下げてから、涙ながらに「突然のことで、私もいまお話しできることが何もありませんので、改めましてお話しさせていただくことができたらと思います」と話し、最後に「遅くまで申し訳ありません。今日はこれで失礼させていただきます」と再び深々と頭を下げた。
翌7日も大勢のマスコミが自宅に集まったままで、明らかに憔悴した忍が車を降りてから報道陣に一礼し、無言で姉の自宅に入っていく姿が複数のメディアで報じられた。
こうしたマスコミの取材方法に対して、ネット上では以下のような批判が飛び交っている。
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「大事な姉を亡くしたばかりの中山忍さんに取材対応させ、そのコメントを放送するマスコミは、再生数がほしくて何でもやらかす迷惑系YouTuberと何が違うんだ」
「少し時間がたって落ち着いたら敬意をもってお話を伺いに行けばいい。数字のことしか考えてない報道の在り方に世間からNOを突き付けられてることにいつになったら気づくんだろうか」
「大谷翔平の新居報道でやらかしたフジテレビと日本テレビが中山美穂さんの自宅に突撃して妹さんのコメントを放送してるけど、本当に何も学んでないんだな」
「ただでさえ悲しいのに、葬儀の打ち合せ、写真の準備、親戚、関係者への連絡などで眠れないくらい忙しいと思う。マスメディアは邪魔しないで、そっとしておいてあげてほしい」
2022年にダチョウ倶楽部の上島竜兵さんが急逝したときは、フジテレビやテレビ朝日が上島さんの自宅前から中継したことで批判が続出。直後に厚生労働省が「報じ方によっては『子供や若者、自殺念慮を抱えている人の自殺を誘発する可能性』がある」とし、過剰報道の例として「自殺で亡くなった方の自宅前等から中継を行う」などを挙げ、事実上の名指しで注意喚起する事態になった。中山さんは入浴中の不慮の事故で亡くなったとされるため状況の違いはあるものの、反省点はまったく改善されていないようだ。
さらに、芸能界からもメディアに対して苦言が続発した。お笑いコンビ「アルコ&ピース」の平子祐希は7日付のSNSで「誰かが亡くなった時『肉親の心境聞きたい!マスコミ突撃してくれ!』なんて思ってる人いないよ」と発言。直接的な言及ではないが、中山さんの自宅に押しかけて忍に取材対応させたメディアのことを指しているとみられる。
お笑い芸人のほんこんも同日に投稿したYouTube動画で、「こういうニュースは亡くなったことだけでいいと思うんですよ」「急に最愛の親族が亡くなったときに、マイク向けられて何を言うんですか?」などと忍を気遣いながら、「(マスコミが)家に行ったら、ご近所の目もあるから収束させようと思って出てきはりますよ。家とか映したら、『芸能人の家か』言うて二次被害もあるかもしれんやないかい」とメディアに訴えた。
亡くなった著名人の自宅に押しかける取材方法は昔からあるものだが、平子がSNSで発した「世間は誰も『自宅に突撃してくれ』なんて思ってない」という言葉には多くの共感の声が寄せられている。大手メディアはそうした世間の空気を察し、取材方法を考え直すべき時期に差し掛かったのではないだろうか。
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